購入した土地がいくつかに分かれているという状態の方もいると思います。これを一つにするには合筆登記という手続きが必要です。
複数の土地を一つにまとめる合筆登記の申請は簡単なので、司法書士に任せなくても自分でできます。この記事では申請書の書き方や必要書類をすべてお教えします。
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合筆登記とは
合筆登記とは、複数の土地を一つにまとめることです。他の登記と同じく法務局に申請します。
住宅用の土地を購入し、それが二つに分かれている場合、ほとんど不自由はないので、そのままにしておいても問題はありません。
しかし二つの土地に一つの家が建っていることは、何か落ち着かない感覚がある方もいるのではないでしょうか。そのような方は、二つの土地を登記上で一つにまとめる合筆登記をお勧めします。
しかしどのような場合でも一つにまとめられるわけではありません。
合筆登記できない場合があり、法務局では以下の状態であると、合筆登記ができないとしています。
- 相互に接続していない土地の合筆の登記
- 地目又は地番区域が相互に異なる土地の合筆の登記
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に異なる土地の合筆の登記
- 表題部所有者又は所有権の登記名義人が相互に持分を異にする合筆の登記
- 所有権の登記がない土地と所有権の登記がある土地との合筆の登記
- 所有権の登記以外の権利に関する登記がある土地(権利に関する登記であって,
合筆後の土地の登記記録に登記することができるものとして法務省令(不動産登
記規則(平成17年法務省令第18号)第105条)で定めるものがある土地を
除く。)の合筆の登記
簡単に説明すると、まとめようとしている二つの土地がつながっていない場合や、片方が宅地でもう片方が畑など地目が違う場合、所有者が違う場合、片方だけ抵当権がある場合など、二つの土地の条件が違うと、合筆登記はできません。
一般的に土地を買って家を建てる場合は、地番が同じであればほとんどの場合が合筆登記はできると考えてもいいでしょう。
合筆登記必要書類
- 申請書
- 登記識別情報
- 識別情報を入れる封筒
- 印鑑証明書
私は以上の書類をそろえて申請をしました。
申請書
合筆登記については、インターネットで紹介してくれている方たちの情報を集めるよりも、法務局のHPを見て書類を集めて申請書を書く方がいいようです。
法務局の記入例を見れば、大抵のことがわかります。申請書で気を付けなければいけないのは、印は実印を押さなければならないということです。表題登記も地目変更登記も抵当権抹消登記も認印でOKですが、地目変更登記に押すのは実印です。
登記識別情報
登記識別情報とは、このような紙です。
土地の代金を支払い、所有権移転が決まった時に送られてきました。用紙の下部に濃色の部分がありますが、ここを折り返すと中に識別情報が書かれており、その記号が必要になります。
法務局のHPだとこの識別情報の原紙を封筒に入れて提出することになっています。管轄の法務局によっては、この登記識別情報通知をコピーして、コピーしたものを封筒に入れて提出することもあります。いずれにしろ合筆登記に行くには、この書類を持っていくことが必要だということです。識別情報の書かれた部分が見えるようにしてコピーしたものを持っていくと、コピーの提出でOKな場合でも対応ができます。
識別情報を入れる封筒
登記識別情報は、封筒に入れて提出しなけれけばなりません。この封筒は自分で用意する必要があります。
封筒の大きさは、折り目が付かないようにA4サイズの紙が入る大きめの封筒を用意するとスマートです。
封筒には以下の表示が必要です。
- 登記識別情報が入っていることを表示
- 申請人の指名
- 登記の目的
以上のものを作って印刷し、封筒に糊で貼り付ければ簡単です。もちろん封筒に以上の内容を直接記入しても問題ありません。
印鑑証明書
印鑑証明書は、発行後3ヶ月以内のものを求められます。
マイナンバーカードを使ってコンビニで取得すると便利です。時間は2分ほどです。市役所の窓口に行くよりもはるかに速いです。マイナンバーカードを持っている方で、お住まいの地域がマイナンバーカードでの書類取得できる体制が整っているのなら、ぜひともコンビニで印鑑証明書は取得してみましょう。とても楽ですよ。
合筆登記料金
合筆登記は一つにつき1,000円がかかります。収入印紙を買って、申請書の空いた場所に貼り付けます。法務局には収入印紙を売っている窓口があるはずなので、そこで購入して提出すればいいでしょう。コンビニ等であらかじめ購入してもいいですが、もし申請時に書類が間違っていることがわかった場合、申請書を書き直さなければならなくなる可能性もあります。その時にあらかじめ収入印紙を張り付けてあると困りますね。登記が慣れないうちは、申請時に収入印紙を買って貼り付けたほうがいいでしょう。
まとめ
合筆登記は難易度は低いです。もし土地を合筆されたい方は、自分で行うことも考えてください。
自信がない方は、法務局に電話して、登記申請相談ができるか確認してください。相談ができれば申請書に間違いがあっても、問題のある個所を修正したのちに提出することができます。
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