天井に下がった部分ができてしまうことは避けたいですよね。
画像のように、様々な原因で新居に天井下がりが発生してしまうことがあります。しかし天井下がりの原因を知り、対策を建てることは可能です。
天井下がり(タレ壁)の原因と対策について、まとめました。
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一条工務店の天井下がり(タレ壁)について
一条工務店と契約された方は、天井下がり(タレ壁 垂れ壁)の可能性について最初の打ち合わせで説明されることと思います。天井下がりとは、間取りによっては天井がフラットにならず、部分的に天井が下がってしまうものです。
天井を支える強度が足りないことを補うため、天井に補強の梁が入ることが主な原因ですが、強度的問題以外にも、いくつかの理由で天井下がりが発生することがあります。天井下がりは、一条工務店の場合、「Sタレ壁」と呼ばれるものと、普通に「タレ壁」と呼ぶものの2種類があります。
構造的にどうしても強度が必要な場合、天井下に補強を入れるために出現する天井下がりのことを「Sタレ壁」と言い、強度には関係ないところで発生する天井下がりのことを「タレ壁」と言います。
天井下がりが発生することがわかった場合、望まないものが無理やりつけられた気がして、がっかりすることがありますよね。
今回はこのタレ壁について、私が考えた間取りの対策などを簡単に説明したいと思います。
家の強度に関係ないタレ壁について
排水管を隠すためのタレ壁
2階にトイレなど水を使用する場所があった場合のパイプスペースまでつなぐ排水管を隠すため、タレ壁が出現することがあります。
パイプスペースとは、水を流すパイプのスペースのことです。二階にトイレがあれば、そこから出る水を一階床下まで流さなければなりません。これがパイプスペースです。
二階にトイレや洗面所を付けたとして、水を流しますね。勾配を付けないと水は流れません。勾配が必要だと、天井下にパイプが露出してしまいます。
このように排水管を隠すために、垂れ壁が出現します。
私は二階のトイレや洗面所を、パイプスペースを付ける洗面所にできる限り使づけることで、タレ壁をできる限り抑えるように努めました。それでもどうしてもこのパターンのタレ壁はできてしまうようですね。
しかし打ち合わせ時には「たったこれだけの距離なのに天井が下がるの!?」とびっくりすることもありました。ほとんど直下する排水管でなければ、タレ壁ができてしまうようです。
パイプスペースの設計に見る一条工務店の基準
おそらく強度もそうですが、相当なマージンを取るのが一条工務店の方針なのだと思います。でもそのマージンは、私はとてもいいことなのではないかと考えています。
実は私は日本でも外国でも、よくトイレを詰まらせる経験をしています。インドで2回、アメリカで1回トイレを詰まらせてしまいました。
紙をたくさん流すとか、使い方にも問題があったのかもしれません。しかしもし充分に余裕を持った排水パイプの設計がされていたら、つまらなかったのかもしれないのです。
私の家にも2階にトイレと洗面所を付ける予定です。当然一階にパイプスペースが必要になります。そのパイプスペースについてですが、洗面所に付けられる予定です。
洗濯機の前に収納棚を置くことをわかっていた設計士さんが、少ないパイプスペースを設計してくれました。しかしその図面を会社にあげたところ、パイプスペースが小さすぎるので大きくしろという指示が出たそうです。
500以上の家を設計してきた経験豊富な設計士さんです。おそらく問題ない太さのパイプスペースを設計したはずです。それでももっと太くしろと指示する一条工務店の姿勢を、私は評価しています。相当余裕のある設計を指示しているのでしょう。
もう少し勾配が急な方がいい、もう少しパイプが太いほうがいい、もう少し曲り角度が緩やかな方がいい・・・。排水パイプが詰まらないように、一条工務店は考えていくれているのでしょう。もしかしたらですが、一条工務店が設計していたら、私が詰まらせたインドのトイレもアメリカのトイレも、詰まっていなかったかもしれないと考えてしまいました。
時には過剰で迷惑とも思える品質に対する意識は、住んでいる間に知らず知らずに助けられることになるでしょう。余裕を持った設計をしてくれるおかげで、これから一度も配水管のつまりを経験しないで済むのかもしれません。
気密性断熱性は間違いないと思って一条工務店を選ぶ人は多いでしょう。でもその性能にするための意識は、細かな設計にも現れているようです。一条工務店は「家は性能」と謳っていますが、打ち合わせが進むたびに謳い文句は伊達ではないなと感じます。
レンジフードの排気管によるタレ壁
壁に直接レンジフードを付けない限り、排煙のための排管を通すスペースが必要になります。排管は屋根裏を通せないらしいので、アイランドキッチンにした場合は絶対にタレ壁が発生します。
キッチンにタレ壁ができた場合、オプションにはなるようですが天井の色を変えてアクセントにして、見栄えを良くする方法が取られるようです。私は壁に隣接する形でレンジフードを付けて、このタレ壁が出ないようにしました。
強度的な問題で発生するSタレ壁
強度的な問題で、補強を入れる意味で天井下がりが発生することがあります。一般的にはどの工法でもこの可能性はあるようです。強度をアップするためにSタレ壁が出る場合、耐力壁の出現と同時に現れることもあるため、開放感の疎外は著しいことになりかねないですね。
私のマンションも天井に大きく下がった部分があります。照明の光が下がった分にさえぎられて、明るさが離れたところに届きません。やはり天井下がりはない方がいいですね。
対策は天井下がりのない間取りを考えることでしょうか。
一条工務店で設計中である我が家のLDKは、壁のない広いLDKです。壁のない空間が広いと、中心に天井下がりが出るのは覚悟していました。しかし結局天井下がりも出ませんでした。一枚のLDKでも天井下がりが出ないのは、やはり一階の壁があるところは、すべて二階にも壁があることを意識して設計した恩恵ですね。特に壁が一階と二階でクロスしている場合は、クロスしている一点に荷重ががかるため、相当な補強が必要になるようです。
一階の二階の部屋の大きさはまったく違うことも多いですから、なかなか難しい問題なのですが、それでもできる限り一階と二階の壁の位置を揃える努力をしたほうがいいでしょう。
打ち合わせ時の注意点
最後にタレ壁についての注意点をまとめてみます。
天井下がりは図面を見てもわかりにくいことがあります。家ができてからびっくりしたという話をブログで読むことがありました。これを避けるため、一条工務店にはタレ壁については常に説明してもらうようにしてください。間取り変更で新たにタレ壁が発生した場合、その都度説明してもらうよう約束するのがいいと思います。
私の家を設計してくれている設計士さんは、タレ壁についてはいつも必ずしっかり説明してくれています。もし説明がない場合は、間取りが変わるたびに「この変更でタレ壁はないですか?」と聞いてみましょう。
下がる量にも注意が必要です。タレ壁はどれほどの高さが下がるのか、説明がないと見落としてしまいそうです。200mm天井が下がるとして、それがどのくらいの下がりなのか、イメージはできていますか? それがしっかり理解しないまま着手承諾書にサインをすると、出来上がった家に不満を持ってしまうかもしれません。下がる量は、数字のみではなく実際にイメージしてください。
また途中でタレ壁について不満を持ったとして、それが間取り打ち合わせも終盤になってからだと、大変なことになるかもしれません。
タレ壁がどうしても許せなくて、対策を依頼した場合、それだけのために一からすべてをやり直す必要が出てくるかもしれないのです。それらを避けるためにも、タレ壁については早めに把握しておくことが必要です。
打ち合わせ中の方は間取り図面を見直してみてください。気付かないところで図面にタレ壁が記載されているかもしれません。
タレ壁同様頭を悩ませるのが、耐力壁です。以下のリンク先に記事があります。よろしければご覧ください。
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耐力壁出現を回避する方法を考える
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