床暖房のフローリングに布団を直接敷いて寝ると暑いと言われます。しかしそれがすべてに当てはまるわけではありません。
床に直接布団を敷いて寝ている方や、来客時に床に直接布団を敷いて接待する場合などに、床暖房があると暑いというデメリットがあるとすると、メリットばかりではないから床暖房の採用を見送ろうと考えている人もいるかもしれませんね。
でも心配することはありません。多くの場合は、床暖房の床の上に直接布団を敷いて寝ても、暑く感じることはないはずなのです。それどころか一面に布団を敷き詰めると、他の部屋より寒くなってしまうこともあります。
ほとんどの場合は、床暖房に直接布団を敷く時に、何も対策しなくてもまったく問題ないのです。
床暖房のフローリングに直接布団を敷いても暑くならない理由と、わが家での実績を紹介します。
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床暖房に直接布団を敷くと暑い?
イメージ的には、床暖房に直接布団を敷くと暑いと思われがちですよね。私もそのように思っていました。
しかしわが家では、床暖房の付けられたフローリングの上に直接布団を敷いて寝ていますが、まったく暑く感じなかっただけでなく、逆にその部屋が寒くなっていました。
最初は「どうして?」と思ったのですが、よく考えればこの状況は、当たり前のことだったのです。
わが家は一条工務店の家ですが、温水循環式の床暖房です。このタイプの床暖房は、室温(床温)を自動で温度調節をしてくれます。 室温が寒い場合は、床の温度も下がります。床暖房の配管内部を流れる温水(不凍液)も、床に熱を奪われて冷えます。
配管内部の不凍液の温度が下がると、室温が下がってしまいます。そのため不凍液の水温を自動的に上げてくれる機能があります。
このような場合、床の温度が高い場合は、床の温度を上げる必要がありませんから、配管の不凍液の温度も高くなりません。これは当たり前のことですね。
床温が上がると、床暖房のシステムは、床の温度をそれ以上上げようとしません。逆に上がりすぎたら不凍液の温度を下げます。
そのような床暖房の場合、床の上に布団を敷いたらどうなるでしょうか。床暖房暖められた床により、布団が暑くなると考えますか?
これは正しくもあり、正しくないのです。
熱がこもるから布団も暑くなるだろうと考えるのですが、それだけではありません。
先ほども書いたとおり、床暖房は床の温度(床に通っている循環パイプの中の水温)を計測して、温度を上げるか上げないか決めます。
循環パイプの中の温度が高くなれば、温度は機械によって下げられるのです。
布団やジョイントマットを敷くと、床からの放熱が遮られるので、床温度は上がります。布団を敷いてしばらくの間は、床温は設定温度よりも上がってしまうでしょう。
ここでカンの言い方は気付いたかもしれませんが、設定温度よりも床温度が上がった場合、機械は上がり過ぎた床温度を下げようとするのです。機械が自動的に床温度を下げてくれるので、布団の下が必要以上に暖かくなることは、基本的にはないはずなのです。
温水循環式の床暖房の場合ですが、床暖房で床を温める場合は、床温度が熱くなったからと言って、すぐに温度が下がるものではありません。
しばらくの間は、配管内部の不凍液の温度を下げようとしても下がりませんし、腋の温度が下がっても、床の温度が下がってくるまでには時間がかかります。
そのため布団を敷いた最初は、確かに熱く感じるという可能性は、ゼロではありません。
また部屋のごく一部に布団を敷いた場合は、他の場所の温度は上がっていませんから、布団の下の床も、温度を上げようと頑張ります。そのため布団が熱くなる可能性はあります。
しかしどのような状況で布団を床に直に敷いても、寝ていて暑く感じることはあまりないように私は感じています。
私も真冬に、どうしても寝なければいけない時に、2日ほど生まれたばかりの子供の部屋を離れて、主寝室に布団を敷いて寝たことがあります。
しかし寝ていて熱いと感じたことはまったくありませんでした。
それでも床暖房のある部屋に布団を敷くと暑いと感じるという情報はありますから、暑く感じた人がいるのは事実だとは思いますが・・・。
そこで考えたのですが、布団を敷いて暑く感じる床暖房は、以下のものである可能性があります。
・部分的な床暖房の場合
・床暖房の設定温度が高い場合
部分的な床暖房の場合は、そこに布団を敷くと暑く感じることはあるでしょう。床暖房のある部分が暖かいだけで、部屋の室温も温めてくれるわけではありません。
部屋の温度が低いので、床暖房のある床も、室温によって冷やされます。そのため部分的な床暖房の床は、温度をたくさん上げようとしています。もし布団を敷いて床の放熱が遮られたら、暑く感じるというわけです。
この場合は設定温度が高くなっている場合、特に暑く感じると思われます。
一条工務店の家のように、全館床暖房の場合でも、設定温度が非常に高いと、床に布団を敷くと暑く感じるかもしれません。一条工務店の床暖房は、床暖房された場所がほんのりと温かい感じで、暑いという感じはありません。
ほとんどの場合は床暖房の利いた床にじかに寝ころんでも、暑く感じることはないでしょう。
床が暑いと感じるほどの設定になっている場合は、その床に布団を敷いて寝れば、とうぜん暑く感じるようになります。
これらを総合的に考えてみると、日ごろから床が暑いと感じるほどに床暖房を利かせている場合は、布団を敷くと暑く感じるのでしょう。
もし床が暑いと感じない場合は、当たり前のことですが、布団を敷いても暑くはなりません。
一条工務店の全館床暖房で、床に直接布団を敷いて寝た場合、本当は暑く感じないことが多いのだと思います。
暑いと言う場合は、床暖房の設定温度が高すぎる可能性があります。そうでなければ実際は床に直接布団を敷いて寝たことがないのに、暑いというイメージで「暑い」と言い切っている場合があるかもしれません。
布団を敷くと寒くなる
ところで部屋に布団を一面に敷いた場合や、部屋全体にジョイントマットを敷いた場合は、室温が低くなることをご存じでしょうか?
わが家では、親子の寝室には布団を敷き詰めています。
床のほぼ全体が、布団とジョイントマットになっています。この部屋に入ると、ひんやりするのです。
寒いので床暖房の設定を上げました。それでも寒いので、設定温度が32℃にまで上げることになりました。
なぜこんな現象が起きるのでしょうか?
考えてみれば、これは当然のことです。一条工務店の床暖房は、床の中を通る循環水の温度を管理しています。循環水の温度が設定よりも下がれば、上げようとします。設定よりも上がれば、循環水を温めるのをストップします。
循環水の這っている床は、室内の空気によって冷やされます。つまり床の温度(循環水の温度)は、室内の空気中に放熱するのです。
この放熱は、床に布団を敷いたことで遮られます。このため布団の下の床が温かくなるので、循環水を温めなくなるのです。
このようなメカニズムで、床暖房冷却水への加温が少なくなります。そのため部屋が寒くなるのです。
これはジョイントマットを敷き詰めた場合も同様です。
床暖房対応のマット
床暖房対応のマットは、床温度で自動的に加熱を調整できない床暖房システムのためにあるものです。そのような床暖房は、マットなどが床の上に乗ることで床からの放熱が遮られてかなりの温度になった時にも、溶けたり変質したりしないものです。
暑さを遮ってくれる性能を持っているわけではない物もあります。
自動で温度を調整してくれる床暖房の場合は、温度が上がりすぎることはありません。その場合は床暖房対応のマットは必要ないことが多いのです。
床暖房の種類を考え、また本当に必要なのかを見極めて、床暖房対応のマット使用をすることをおすすめします。
ちなみにわが家では床暖房対応マットは使用していませんが、暑く感じることもなく、快適に寝ています。