トイレの窓は必要でしょうか? 私はトイレには窓は必要ないという考えを持っていました。しかし設計士さんの強い勧めで、トイレに窓を付けました。
特に必要ないと思っていたトイレの窓ですが、付けてみると「あって悪い物ではないな」と感じています。
トイレに窓を付けた場合の感想は、住む家や立地条件によって変わります。
トイレに窓が必要な場合と、まったく必要でない場合の条件についてまとめてみました。
目次 (クリックで飛べます)
わが家のトイレに窓が付いた経緯
わが家では最初、トイレの窓がありませんでした。
初期の間取りでは、構造上トイレに窓が付くと、ハウスメーカー(一条工務店)の耐震強度基準が満たされなかったのです。
しかし2016年4月14日の熊本地震により一条工務店の耐震基準が変更され、少々の図面変更がされました。その結果トイレのある外壁面がまっすぐになり、その結果トイレに窓を付けても、耐震強度が満たされることになったのです。
この経緯は、一条工務店の品質意識 耐震強度は家によって大きく違う!!という記事を書いていますので、興味のある方は是非ご覧ください。
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一条工務店の品質意識 耐震強度は家によって大きく違う!!
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設計士さんはトイレには窓があった方がいいという考えの方でした。私は賃貸住宅に住んでいた時、ずっとトイレに窓がない状態でした。そのような環境に慣れていたため、トイレに窓を付けることを強く希望するわけではありませんでした。
しかし設計士さんの勧めで、トイレに窓を付けることになりました。わが家にとってこれが正しかったのかどうか、これから紹介していきます。
トイレに窓を付けない
設計士さんがトイレに窓を付けるのを強く勧めた理由は、トイレはいつも明るい方がいいというものでした。
これについては私も賛同します。電気を点けるまでにトイレが暗いと、ちょっと嫌な気持ちになります。昼間だけですが、最初から仕入れの中が明るいことは、気持ちがいいものでした。
その点では付けたメリットは充分ありました。
ただし以下のような、トイレに窓を付けるべきではない理由もあります。
窓を開けて換気する必要がない
近年の換気扇は優秀です。トイレの窓を開けて換気する必要がありません。
わが家では窓を開けて換気したことは一度もありませんが、においが換気扇からすぐに吸い出されるようで、不快な思いをしたことがありません。
窓を開けた方が換気が早いという情報もありますが、これは時と場合によります。台風時のような大風が吹いているときに、トイレの窓を含めた家の窓を全開にしていたら、トイレの換気はあっという間に終わります。しかし無風状態でトイレの窓だけを開けた場合は、換気はとても遅いです。
基本的に小さな部屋で一つの窓だけを開けても、換気は思うように進まないことがほとんどです。
換気扇があれば、窓がなくてもトイレの換気はそれだけで充分できますし、そのほうが効率がいいです。
使える壁が減る
わが家のようにトイレが縦長で、奥に窓がある場合は、窓がなければ収納ボックスが付けられることがあります。
しかし窓があるので収納ボックスが付けられなくなる場合があります。
隣家の目が気になる
トイレの窓開けると、正面に隣家の窓がある場合、とても開けにくいです。
開けられないのであれば、付けない方がいいこともあります。
日差しがひどいと中が日焼けする
窓ガラスの紫外線カット率が高くない場合、窓から入った紫外線で、トイレの中が日焼けすることがあります。
壁紙からプラスチック類まで、日焼けしたりオゾン劣化したりしてしまうと、窓がない方がいいと入居後に思えることがあるかもしれません。
防犯上窓はない方がいい
壁から空き巣が入ることはなく、侵入経路はほとんどが窓です。トイレに窓を付けると、空き巣の侵入経路を一つ増やすことになります。
窓を閉め忘れることが多い窓はトイレだそうです。閉め忘れて空き巣に入られる心配する人もいます。
気密性断熱性が落ちる
窓は壁よりも気密性と断熱性が落ちます。トイレに窓を付けることで、家の気密性も断熱性も落ちます。
トイレに窓を付けることで、冬に寒くて夏に熱いトイレになりやすいです。
窓を付けることでお金がかかる
窓を一つ余計に付ければお金がかかります。メリットが少なくてデメリットが多いのなら、付けない方がいいと考えるひとが多くなるのは当然です。
デメリットからわが家の窓を考える
デメリットが多いトイレの窓ですから、付けない方がいいと考える人がいるかもしれません。
しかし私は、トイレに窓を付けて後悔していません。それは先に挙げたデメリットが、わが家のトイレでは一つもデメリットにならないからです。
使える壁が減る?
わが家の場合は窓を付けると使える壁が減ることになりました。しかしトイレには収納力たっぷりの手洗いカウンターを付けましたから、トイレの奥に収納ボックスは必要ありません。
隣家の目が気になる?
わが家でのトイレの窓は、光を取り込むことがすべてです。つまり開けないので、隣家の目はまったく気になりません。
日差しがひどいと中が日焼けする?
わが家の窓ガラスは、紫外線カット率98%の性能を誇ります。このため日差しによりトイレの中が日焼けすることはありません。
さらにわが家の窓にはハニカムシェードというブラインドが標準で付けられているため、日差しをシャットアウトしてくれます。
そしてこれは立地上のことなのですが、わが家のトイレ側にはアパートが建っています。そのアパートの陰になって、トイレに日差しが差し込むことが一年間一度もないのです。
つまりわが家のトイレの窓は、室内を日焼けさせる可能性がゼロなのです。
防犯上窓はない方がいい?
窓は開けませんから、防犯上もあまり問題にはなりません。窓を割って侵入することがあるかもしれませんが、その場合はおそらくトイレよりも侵入しやすい窓がありますから、そちらを選ぶでしょう。
空き巣に狙われる位置ではなく、開けることもないため、トイレの窓を付けても、防犯上も問題ありません。
気密性断熱性が落ちる?
壁よりは窓は断熱性能が悪いですから、窓があることで冬はトイレの気温はないよりも落ちているでしょうし、夏は気温が上がっているでしょう。
しかし冬も夏も、トイレに入って「寒い」「暑い」などと感じたことはありません。
これは窓ガラスの断熱性能がとても高いことと、さらに断熱性を上げるハニカムシェードというブラインド(?)が窓に付けられていることによるものです。
引き違い窓は気密性を落とすことがありますが、わが家では開き窓(縦滑り出し窓)ですから、家の気密性もあまり落としていません。
窓の性能によっては、窓を付けても快適に過ごせることがあります。
窓を付けることでお金がかかる?
わが家ではトイレの窓は標準で付けられました。費用が別に掛からなかったのです。そのため付けることにためらいはありませんでした。
まとめ
以上のことから、わが家のトイレに窓を付けても、あまりデメリットはありません。
そのようなことをトータルで判断して、設計士さんは窓を付けることを進めてくれたのだと思います。
実際に過ごしてみても、明るいというメリットがあるだけで、デメリットがないのですから、付けることは間違っていなかったのです。
トイレの窓は「付けるべき」「付けない方がいい」と、様々な意見がネット上にあふれています。しかし窓の性能も、近隣住宅の様子もまったく違います。付けた方がいい場合と、付けない方がいい場合があるということです。
- トイレに窓を付けた効果はかかる費用を上回る
- 窓の断熱性能がいい
- トイレの収納は充分ある
- 窓から光で日焼けしない
- 空き巣の侵入経路になりにくい
- 隣家の窓位置により開けられないことはない
このような状況であれば、窓を付けてもいいのではないかと思います。