私が家を建てるために購入した土地は、地目が畑になっていました。家を建てたのですから地目変更が必要で、畑を宅地に変更しなければなりません。地目変更登記という申請をしなければならないのです。
地目変更登記はそれほど難しいものではありませんが、それでも素人が行うには注意すべきことがあります。
我が家の登記関係は、できる限り自分の力で行うこととしており、地目変更登記は表題登記に次いで2件目の登記となります。
自分で登記を行おうとしている方のために、地目変更登記の方法について説明します。
目次 (クリックで飛べます)
地目変更登記とは
地目変更登記とは、名前の通り地目の種類を変更する登記です。
私の場合は「畑」という地目から、「宅地」という地目に変更する必要があります。土地の用途を変更した場合、不動産登記法第37条により一ヶ月以内に地目変更の申請しなければならないことが定められています。
地目変更登記必要書類
私が地目変更登記に必要だった書類は以下の通りです。
- 登記申請書
- 案内図
- 農地転用許可証
- 住民票
場合によりその他にも必要書類が増える場合があるようですが、一般的にはこれだけあれば申請ができるはずです。
地目変更登記申請書
それではまず最初に地目変更登記申請書作成の仕方を説明していきます。
登記申請書はそれほど作成は難しくありません。
① 登記の目的
地目変更登記を行うのですから、地目変更と書きます。
② 添付情報
私の地域では農業委員会の農地転用許可証が必要でした。農地転用許可証と記入し、横に(原本還付請求)と追記することで、原本を返却してもらえます。
③ 申請日
法務局に出向いて申請する日を記入します。
④ 管轄法務局名
自分の土地の管轄である法務局の名前を正確に記入します。
⑤ 申請人情報
申請人の住所は、自分の住所を書けば問題ありません。住民票の住所と同じで構いません。電話番号は日中に連絡が取れるものを書いたほうがいいでしょう。
⑥ 不動産番号
土地を購入すると、登記事項証明書をもらえるはずです。登記事項証明書の右上に不動産番号が書かれていますので、これを記入します。
⑦ 所在
登記事項証明書にも所在が書かれていますから、それと同じように書きます。
⑧ 地番
登記事項証明書に書かれている地番と同じように書きます。
⑨ 地目
上が変更前、下が変更後の地目を書きます。変更前の地目は、登記事項証明書で確認してください。変更後の地目は、「宅地」となります。
⑩ 地積
土地の面積のことです。平方メートル単位で記入します。ここが少し難しく、地積は畑の場合は平方メートルまでの単位でしか登録されていません。しかし宅地になると、平方メートルの小数点以下2桁までの記入が必要になります。左側に平方メートルまでの面積を記入し、小数点以下2桁までを右側の欄に記入します。宅地以外を宅地にする場合は、細かな面積がわからないことがあります。その場合は、法務局で地積測量図を取得し、それで調べるしかありません。一筆450円かかりますが、調べないと記入できません。地積測量図を取れば小数点以下2桁までの面積を知ることができますので、記入ができます。
⑪ 登記原因及びその日付
宅地になったのは建物が完成した時だと私は判断しました。建物が完成したのは、引き渡し日だと考えています。私は引渡し日を記入しました。
その他必要書類
申請書が作成できたら、その他の書類を作成、収集します。
案内図
案内図は表題登記の時と同じで、ハウスメーカーにもらった書類の中にあったものを使いました。ない方はグーグルマップなどを参考に、自分で作成しましょう。自分の土地を「申請場所」と表示し、境界線を赤色のペンで囲みましょう。
農地転用許可証
地域によって申請方法が違います。ほとんどが地域のHPで申請の仕方を説明しています。それを確認し、自分で申請書類を作りながら、不明な点を挙げておきます。そのあとで農業委員会に電話をかけて、不明な点を質問するというやり方で、申請書類を作りました。
住民票
土地を取得した時と、地目変更登記申請の時で、住所が違う場合も多いと思います。その場合は、土地を取得した時の持ち主(自分)が、今の土地に引っ越してきたことが証明しなければなりません。住民票にはひとつ前に住んでいた住所まで記入されていますから、つながりが証明できます。そのような理由で、住民票が必要です。
地目変更登記申請まとめ
地目変更は多くの場合、それほど面倒なことはありません。私が少し苦戦したのは、農業委員会で農地転用許可証をもらうための申請と、土地が二つに分かれていたので、手元にある土地関係の書類には、二つの土地の合計の面積しか記録されておらず、一つ一つの面積がわからなかったことくらいです。
もし農地転用許可証が必要ない土地で、購入した土地が一つしかない場合は、とても簡単に申請ができます。そのような人は、司法書士の方に頼むことなく自分で地目変更登記をするべきです。調べてみると司法書士の方に頼んだ場合の相場は3万円程度ですが、3万円の労力を使わずとも登記申請ができます。ただし平日に申請と受け取りで、2回会社を休み必要があります。それが難しい方は、3万円程度なので司法書士の方にお願いしてもいいでしょう。
おそらくほとんどの方は、登記申請は農地転用許可証の取得、表題登記、保存登記、地目変更登記などすべてをセットで司法書士の方にお願いしているでしょう。簡単だからと地目変更登記だけを自分で行うようにさせてもらうことは難しいのかもしれませんね。
これから家を建てる方は司法書士に任せず、気合を入れて全部の登記を自分ですることを考えてみたらいかがでしょうか。費用も抑えられますし、大きな達成感を味わうことができますよ。
地目変更登記が終わると、次は保存登記申請が必要です。保存登記申請に必要な住宅用家屋証明書の取得方法の記事を書いています。ぜひご覧ください。
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