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家の知識

リビング階段はメリットだけではありません 冬に寒いなどのデメリットもたくさんあります

新築で間取りを考えるとき、リビング階段を考える人も増えています。

リビング階段には単純になりがちなLDKの空間に階段という、ビジュアル的にインパクトのあるものが付けられ、おしゃれに感じられるメリットがあります。

しかしリビング階段はデメリットも多いのです。

この記事は、私がリビング階段を採用しなかった理由を中心に書いたものです。リビング階段のデメリットには、どのようなものがあるかわかってもらうためです。

デザイン、ビジュアルにこだわった家を作りたいのか、夏涼しく、冬温かい快適な環境で過ごしたいのかで、家づくりは大きく変わります。

リビング階段に大変な魅力を感じている方も、こんな本音のデメリットがあるとわかっておくことは、家を作る上で重要だと思うのです。

リビング階段のメリット

おしゃれなリビングになる

これがリビング階段を採用したい、最も大きな理由ではないでしょうか。

私が家を建てる時、自分で間取りを作成しました。⇒間取りを自分で作る楽しさ  パソコンソフト3Dマイホームデザイナーは簡単に使えます

その時にリビング階段のある家の間取りも、作ったことがあります。

私はリビング階段の家を建てませんでしたが、いくつかの間取りを作成して比較しました。採用しなかった間取り図面の中に、リビング階段の間取りもありました。

私がリビング階段を考えたLDKの3D画像と、実際に建てた家のLDKとを比べてみます。

やはりリビング階段の方がおしゃれに感じますね。

これは何事にも代えがたいメリットです。わが家はリビング階段のある間取りにしませんでしたが、リビングに階段がある家に行くと、単純な感想として「すごいな」とか「おしゃれだな」と私でも思います。

家族とのコミュニケーションが増える

子供部屋が二階にある場合、リビング階段であれば、帰宅したときは必ずリビングで家族と顔を合わせてから、部屋に行くことになります。

必ず毎日親子で顔を合わせることになるので、親子関係が疎遠になりにくいメリットがあります。

二階の家族を呼びやすい

リビング階段があると、リビングの声が二階の部屋まで届きやすく、大きな声であれば会話もできます。

食事の準備ができた時など、二階にいる家族を呼びたいときは、リビングから二階の部屋に簡単に声が届くので便利です。

省スペースになる

リビング階段は省スペースになります。

廊下などに階段を付ける場合、階段に続くための通路が必要です。しかしリビングに階段を付けると、リビングの空間と階段まで行くスペースは兼ねることができます。

またオープン階段にした場合、階段の下にテレビを置くなどして活用できます。

リビング階段のデメリット

リビングに階段を付けることは、おしゃれでいいものだと考える方は多いですね。しかしリビング階段にはデメリットがあります。

もちろんおしゃれで使いやすいという、他の何にも代えられないほどの強いメリットもあります。

しかしメリットばかりを考えてデメリットを考えなかったため、入居してから後悔する人も少なからずいます。

リビング階段のデメリットは、最初から理解したうえで採用することをお勧めします。

別階の音が聞こえてしまう

一階リビングで出した音が二階の寝室に聞こえて困るという話はよく聞きます。逆に二階の子供部屋で子供がはしゃぐ声が、一階に届いて不快になることもあります。

リビング階段にして最も気になったことは、音の問題だったという話はよくあることのようです。

赤ちゃんが音に敏感な場合、父親が夜中に帰宅して、食事を取るために電子レンジを使うだけで、音が聞こえるので泣き出してしまうようなこともあるそうです。

今では高気密高断熱の家が増えており、いわゆる「隙間風」が入ってきません。

そのため強制的に家の中の空気を喚起しないと、シックハウス症候群になると言われ、その対策として2003年に制定された改正建築基準法で、原則としてすべての住宅に換気設備の設置が義務付けられるようになりました。

強制的に長く滞在する部屋はすべて、24時間換気システムで新しい空気を取り込み、古い空気を排出しています。このため家の扉は、上下にかなりの隙間ができています。

この隙間がないと、空気の循環が阻害されて、酸素不足になるのです。

最近の新築住宅は、すべてのドアには隙間があります。そのため他のところで発生した音が、室内にかなり響きます。

冬の暖房効率が低下する

リビングの暖房の暖かさが、階段から二階に逃げてしまいます。このためリビングがなかなか温まらず、電気代も多くかかるようになります。

高気密高断熱で家中を暖房している住宅ならばこの暖房効率の低下は最小限で抑えられるのかもしれませんが、そうではない場合は、かなり気になることになるようです。

普通の階段であれば仕切りやカーテンを付けるなどして、暖かい空気を留める簡単な手もあります

いくら後から仕切りを付けると言っても、リビング階段を仕切ってしまうということは、リビング階段が見えなくなってしまうのです。それではビジュアル的な魅力を感じてリビング階段を採用した場合は、リビング階段を付けた意味がなくなってしまいます。

冬に寒い

全館床暖房の家であれば、家中が暖かいのでリビング階段でも大きな問題はありません。しかし部分的な暖房をする家では、リビングを暖房設備で温めても、暖かさが二階に逃げてしまいます。

温めるスペースが広がるため、エアコンなどの暖房設備も、パワーが大きなものを入れなければならなくなります。エアコンでリビング階段のあるLDKを温めるのには、20帖用の物では使い物にならないこともあります。

夏にも電気代が多くかかる

リビング階段が冬に寒いことはよく言われることですが、夏にも電気代が多くかかります。エアコンで涼しくする空間が広がるのですから当然ですね。

リビング階段にされる方は、リビング吹き抜けにしていることが多いです。この場合、南側に窓を多く付けることになります。窓から太陽の光がリビングに降り注ぎ、LDKの温度を上げます。その上エアコンで冷房する空間が大きくなるのですから、電気代がかかることは当然です。

全館床暖房の家でリビング階段を採用された人は、冬にはあまり寒くないと言います。家じゅうを暖めるのですから、リビング階段でもそうでなくても、暖房する空間は変わりませんから、冬はまったく問題ないでしょう。

しかし夏には、エアコンフル稼働でたくさんの電気を使っていることがあります。この点は大きな問題なのですが、なぜかインターネットでも情報として出てくることがほとんどありません。注意が必要です。

キッチンでの調理する臭いが届いてしまう

階段がキッチンに近い場合、リビング・ダイニング・キッチンがひとつの空間の場合などは、調理中の臭いが二階まで届いてしまいます。

新築でリビング階段にした人の家にお邪魔したことがあるのですが、やっぱり調理時のにおいが二階の部屋まで臭ってきました。

これは意外に気になることなので、注意が必要です。

LDKでのんびりとくつろげない

家族がくつろぐ空間であるリビングですが、子供の友達が遊びに来るたびにそこを通るのでは、安心してくつろげない可能性があります。

子供の友達が遊びに来てリビング階段を上がって二階の子供部屋にいる場合、その友達が帰るまでは、「いつ子供の友達が、自分たちのいるリビングを通って帰るかわからないから気を抜けない」と、気楽にくつろぐことができなくなるかもしれません。

家を建てる時には気づきにくいことですが、そのようなこともしっかり考えて、リビング階段を採用したほうがいいでしょう。

子供の友達が来にくい家になる

リビング階段の家では、その家の親と顔を合わせるのが嫌で、子供の友達が遊びに来るのを控えるようになるかもしれません。

友達が遊びに来にくい家になってしまうことは、子供にとって結構気になることではないでしょうか?

全館床暖房の家の場合

私は全館床暖房の一条工務店i-smartに住んでいますが、リビング階段にしなかったことで、夏も冬もとても快適です。

冬の場合ですが、一条工務店の家は全館床暖房が標準で付けられています。床暖房を使う場所を細かく指定できますので、二階だけすべて床暖房を切ることも可能です。その場合、リビング階段だと一階の暖かさが二階に逃げてしまいます。

しかしわが家はリビング階段にせず、階段のある玄関ホールとLDKは扉で区切られています。一階のLDK及びトイレや浴室などは床暖房を使い、玄関ホールと二階の床暖房を切っています。これは子供が生まれて、夫婦の生活はすべて一階になっていて、二階を使うことがまったくないからです。

全館床暖房の家でも、リビング階段にしないことで、冬には二階の床暖房を切ることができます。かなりの電気代の節約になっています。

もしリビング階段ならば、二階の床暖房を切ることはできません。

それでもリビング階段を採用するには、一条工務店のi-smartは最も適している家だと思っています。

リビング階段と吹き抜けを同時採用したいと考えている方は、吹き抜けのある家にするには一条工務店のi-smartが最適という過去記事がありますので、是非ご覧ください。

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暖房や冷房を効率化するために

リビング階段では、リビングで暖房や冷房を利かせても、その空気が二階に流れてしまい、効率的でないことを気にする人は多くいます。

そのような人のために、リビング階段を後付けでふさぐためのグッズが用意されています。

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このようなグッズを使えば、エアコンを使った時の効率化が期待できます。

しかしせっかくおしゃれなLDKにするためにリビング階段にしたのに、場合によってはそれが台無しになってしまいます。

また開け閉めしながら階段を通ることになるので、とても不便になります。

閉めた時だけでなく、開けているときも折りたたまれた仕切りが目に入るのも悲しいところです。

このようなグッズは、ある程度売れているそうです。おしゃれさを求めたのに、快適さが失われてこのようなグッズを使用することで、おしゃれさが消えてしまうこともあります。この点は家を建てる前に考えておくべきことでしょう。

メリットとデメリットを考える

メリットとデメリットをまとめます

冒頭でも書きましたが、ビジュアルのおしゃれさに捉われて、生活していくうえでの快適さを考慮しないと、後悔することになります。

私はリビング階段はビジュアル的に魅力を感じていたのですが、快適性が損なわれると判断し、採用を見送りました。

夏冬のエアコンの利き具合と電気代が節約できることや、二階にLDKの音が響かないことなどを体験すると、これでよかったと心から思っています。

 

リビング階段を採用して失敗したという話は、インターネット上ではそれほど多く見られません。しかし本当に後悔している人はあまりいないのでしょうか?

リビング階段にあこがれていた人が、デメリットを考えずに採用したとします。そして生活していくうえで上記の問題に気付いた場合、それを正直にインターネットで発信しないかもしれません。失敗を正直に公開したくない人も多いのではないでしょうか?

特にブログをやっている人は、自分の情報を発信することが楽しいと思っている人が多いです。楽しい情報しか発信しない可能性はあります。

もちろんリビング階段のビジュアルが大好きで他のことは気にしない方は、デメリットがあっても満足できていると思います。

しかしインターネットのメリットの情報だけをうのみにして、デメリットを考えずにリビング階段を採用してしまうと、後で後悔することにもなりかねません。

本当に自分が後悔しないのか、しっかり考えることが重要です。

 

家を建てるために設計士さんと打ち合わせをする時に、リビング階段のある家に住んだことのない人も多いでしょう。

インターネットでリビング階段の画像を探せばたくさん見つかりますから、それを見てイメージを膨らませることはできます。ビジュアル的な面だけならば、リビング階段を好むことは自然なことです。

しかし住んでからのデメリットは、なかなかイメージできないものです。リビング階段にすると冬に寒いと聞いても、どのくらい寒いのか、そしてどのくらい暖房費が増えるのか、イメージはなかなか難しいのです。

家づくりで気を付けなければならないことは、イメージが簡単にできるビジュアルに惹かれて、住んでからの問題を考えないことがとても多いことです。

リビング階段を採用するには、単純なメリットだけを考えず、デメリット、特に快適性のデメリットをしっかり頭に入れておく必要があるのです。

私がリビング階段を採用しなかった大きな理由は、リビング階段を採用して家を建てた知り合いが、冬に寒いことや音が響くことをとても大きな問題としていたことでした。しかも知り合い3人が全員、リビング階段の不快適さを持っていたのです。

もちろんリビング階段にして大満足の人も多いでしょう。しかしリビング階段の家に住む私の知り合いは、リビング階段に住んだ実感として、リビング階段にしたことを後悔していました。

一階の音が二階に響くことや、エアコンの危機が悪く電気代が多く掛かることなど、デメリットはたくさんあります。これを問題としない自信がある方は、リビング階段を採用しても問題ないでしょう。

とても難しい問題ですので、家を建てる場合はメリットデメリットをしっかり理解し、後悔のない家づくりをしてくださいね。

 

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