住所変更登記方法を詳しく説明します。不動産登記は難しいと敬遠される方も多いですが、住所変更登記はそれほど難易度は高くありません。機会があったら是非チャレンジすることをお勧めします。
土地や建物などの不動産には、所有者が存在します。不動産の登記識別情報通知書には必ず所有者が記載されています。不動産の持ち主が住所変更した場合、登記識別情報通知書に記載されている住所を変更しなければならないのです。これを住所変更登記と言います。
住所変更登記は、住所が変わったあと、すぐに行う必要はありませんし、していなくても罰則はありません。しかし絶対にしておかなければならない登記なのです。
登記識別情報通知書に書かれた住所が正しくないと、その不動産はその後の登記が一切できないのです。つまり土地や建物を売る場合でも、遺産相続をする場合でも、持ち主の住所変更登記が行われていないと手続きができません。
自分が取得した土地や建物などの不動産は、いつか必ず誰かに売るか、遺産相続することになります。つまり、いつか必ずやらなければならないものなのです。その時になって慌てて住所変更登記をするよりも、必要が生じた場合はすぐに登記しておくほうがいいのです。
目次 (クリックで飛べます)
住所変更登記について
住所変更登記が必要な場合
住所変更登記は、新しく土地を購入して新築をする場合に必要になることが多いです。
土地を購入して家を建て、そこに住む場合、まず土地を購入することになります。土地を購入すると、土地という不動産が自分の名前で登記されます。この時には、まだ住んでいる場所は購入した土地ではありません。
家を建てて住むことになると、住民票も新しい土地の場所に移ります。すると旧住所で登記された土地は、所有者の住所が違っていることになります。
このような場合に、住所変更登記が必要になるのです。
大抵の場合、土地建物の登記関係の手続きは、司法書士の方にお任せしているので、住所変更登記がされないまま放置されることはないと思いますが、念のため確認しておくことをお勧めします。手続きをしてくれた司法書士の方に確認すれば、回答をもらえるでしょう。
住所変更登記の依頼
住所変更登記申請は、多くの場合、簡単に申請できます。そのためプロに依頼しても安価で引き受けてくれます。もし住所変更登記がされていないことが分かった場合は、すぐに手続きをお願いすれば問題ありません。
しかも手続き費用は20,000円程です。平日に法務局まで出向いて手続きをすることを考えると、司法書士の方に頼む方がいいのかもしれません。住所変更登記を自分で行うのは、登記に興味がある方や、何でも自分でやってしまわないと気が済まない方、またはその20,000円を節約したい方が行うものです。
司法書士の方に頼むことが一般的ですが、金額が安いということは、簡単にできるということです。
インターネット上には住所変更登記の方法を教えてくれるサイトもたくさんありますが、慣れた人ならば内容を見れば簡単にできるのかもしれません。しかし登記申請になれていない方は、少し敷居が高いものになるはずです。
そのように感じている方のために、この記事ではできるだけわかりやすく、住所変更登記について説明していきます。
住所変更登記の方法
住所変更登記はとても簡単です。とは言っても初めて登記をする方には、少し戸惑うところがあると思いますので、やり方を説明します。
必要書類
必要書類はとても少ないです。二つしかありません。
住民票
前の住所を証明でき、今の住所も証明する書類があればいいのです。つまり必要なのは住民票だけです。
住民票は、住民票コードが入っていないものでないと使えません。住民票コードの入った住民票は、よほどの理由がない限り発行してくれませんから、間違って住民票コードの入ったものを依頼して受け取ってしまうことはまずないと思われます。しかし念のため、住民票の申請時には住民票コードのないものを依頼してください。
新築をしたときに住所変更登記をする場合は、ほとんどがひとつ前の住所から今の住所に変更することになると思います。しかし何回も住所が変わっている場合、住民票を取るだけではダメな場合があります。
住民票にはひとつ前の住所しか記載されていません。住所変更登記では、登記識別情報通知書に書かれている住所から、今の住所までのつながりが必要です。二つ前の住所が登記識別情報通知書に記載されている場合、住民票でつながりを証明できません。
今回の記事は新築時の住所変更登記について説明していますので、何度も住所が変わった場合の手続きについては、割愛させていただきます。
登記申請書
登記申請書のフォーマットは、法務局のホームページにあります。
リンク先の「 10)登記名義人住所・氏名変更登記申請書(住所移転の場合) 」というところにあるデータをダウンロードして使ってください。同じページに書き方を記したデータも載っていますので、併せてダウンロードするといいでしょう。
登記申請書の書き方
初めての方が登記申請書を書くと、いくら書き方の例を見てもよくわからないところがあると思います。記入例よりもわかりやすい書き方の例を作成してみました。
とは言っても、とても簡単です。
書くために必要なものは、「登記完了証」です。これがあれば悩むことなく空欄を埋められます。
住所変更登記の注意点
土地と建物の両方に住所変更登記が必要なのか?
上記の例では土地と家の両方を住所変更登記するようにしています。しかし注意しなければならないのは、建物の住所変更登記が必要か不必要か、考えなければいけません。
一例を紹介します。
土地を取得して地目変更登記をしたときは、まだ家がないので新しい土地に引っ越すことはできませんよね。つまり旧住所のまま地目変更登記をするわけです。この場合、土地は地目変更登記をしなければなりません。もちろん宅地として購入した場合も、購入した時点での住所は、旧住所です。土地はほとんどの場合、住所変更登記が必要になります。
しかし建物に関しては、ちょっと違うのです。家が完成した後で住民票を移し、家の保存登記を行います。家の保存登記をすると、自動的に建物の持ち主の情報も最新のものになります。つまり保存登記をしたときにはすでに住所は変わってるはずなので、登録されているのは現在の住所になります。つまりこのような場合には、建物は住所変更登記をする必要がないのです。
登記事項証明書が必要
法務局のHPでは、申請書と住民票があればいいとされています。しかし地域によっては、登記事項証明書も必要になります。登記事項証明書とは、正式には登記簿謄本といいます。法務局で取得できる書類で、一部取得するのに600円かかります。オンラインで依頼すると500円になります。
登記事項証明書が必要だという理由は、登記の情報を法務局が確認したいためです。必要ないのに住所変更登記を申請してしまうとか、(ひどい話ですが)土地の代金を支払ったのに登記がされていなくて、元の持ち主のままになっていることもあります。そのような場合には住所変更登記はできないので、あらかじめ確認する意味で、登記事項証明書を提示させるようです。忙しい法務局では、時間をかけて処理しようとしたのに、問題があって登記ができなかった場合は、無駄な時間を使ってしまうことになります。それを避けたいのではないでしょうか。
登記事項証明書はどの法務局でも要求されるものではないので、事前に電話で管轄の法務局に確認しておくといいでしょう。
登記事項証明書取得には、申請用紙に不動産番号を記入する必要があります。これは登記申請書に記入してあるので、それを見て記入すればいいので問題ないでしょう。
住所変更登記まとめ
住所変更登記をしなくても罰則は一切ありませんが、住所変更登記は必ずいつかしなければならないものです。簡単な申請ですから、自分で行うことがお勧めです。
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