わが家では子供のビデオ撮影のために、ビデオカメラではなくミラーレス一眼カメラのEOSR6を購入しました。
わが子が3歳になり、来年度から幼稚園に入園します。幼稚園に入ればお遊戯会や運動会などのイベントで、動画撮影をする機会ができます。
少しでもいい画質でわが子の記録を残してあげたいと思っていましたから、多方面から徹底的にどのような機材を購入すればいいのか検討しました。そしてビデオカメラではなくミラーレス一眼カメラで動画撮影することが、高品質な動画を残すにはベストだと知りました。
実際に購入したミラーレス一眼カメラのEOSR6で動画撮影をしてみると、暗所にも強く素晴らしい画質で動画撮影ができました。このカメラを購入したことは、大成功だと言う以外にありません。
わが家ではビデオカメラではなくミラーレス一眼カメラを買った理由と、ミラーレス一眼カメラで動画撮影するデメリットも紹介します。
目次 (クリックで飛べます)
ミラーレス一眼カメラを購入した経緯
ミラーレス一眼カメラの動画撮影機能は、近年著しく向上しています。
しかし家庭用ビデオカメラよりも高価で、操作も難しくて重くて持ちにくいため、ビデオカメラ代わりに使う人はそれほど多くないようです。
特に子供の撮影などには、手軽にできるビデオカメラか、スマートホンを使用するご家庭がほとんどだと思います。
わが家では来年4月に、わが子が幼稚園に入園することになります。そうなると幼稚園でのイベントを撮影するカメラが欲しくなります。
わが家にははちょっと古い一眼レフカメラがあり、写真撮影はそれでまったく問題ないと思っていました。
問題は動画撮影のためのビデオカメラです。ビデオカメラも古い物を所有していますが、まだ4K動画が存在しないころの製品で、画質も最新のものに比べて大きく劣ると思われました。
そこで新しいビデオカメラを購入しようと調べてみたのですが、家庭用ビデオカメラは、新機種が近年はなかなか発売されていませんでした。私は以前よりSonyの製品を続けて愛用してきたのですが、Sonyのビデオカメラは、もう3年も新しい機種が発売されていないのです。この3年間で、ミラーレス一眼カメラやドライブレコーダーなどの撮影系の製品は、大きく進歩しています。しかし家庭用のデジタルビデオカメラは、3年間も成長が止まったままです。
今現在(2022年初)で最新の機種を購入しても、次に発売される製品とは大きな性能の違いが出ると予想されます。今ビデオカメラを買っても、すぐに後悔する時が来るように思えるのです。
わが家では新しいビデオカメラの登場を待つ時間的余裕はなく、すぐに動画撮影用のカメラが欲しかったのです。そこで考えたのは、ミラーレス一眼レフカメラで動画撮影をすることでした。
冒頭でも触れたとおり、ミラーレス一眼カメラの動画性能は、近年驚異的に向上していて、機種によっては映画撮影に使えるほどの性能を持った物すらあります。
子供の記録をきれいな動画で残したいと考える場合、家庭用ビデオカメラで撮影した映像は、(高価な機種と高いレンズを使う場合)逆立ちしてもミラーレス一眼カメラで撮影した映像には勝てないこともわかりました。
暗所での撮影性能は格段の違いがあり、家庭用ビデオカメラでは暗すぎて満足に撮れないようなシーンでも、ミラーレス一眼カメラでは撮れてしまうことがあります。
ミラーレス一眼カメラで撮影した、夜のイルミネーションの動画をご覧ください。
このような動画は、家庭用ビデオカメラやスマートホンでは、撮影環境が暗すぎてきれいには撮れないことがあります。
悪い条件でもきれいな画質で撮影できることが魅力だったため、私はビデオカメラではなくミラーレス一眼カメラを購入することを考えるようになりました。
ミラーレス一眼カメラの優れている部分
ミラーレス一眼カメラが家庭用ビデオカメラよりも優れている部分を、もう少し詳しく説明します。
ミラーレス一眼カメラは、家庭用ビデオカメラよりも、1秒間に撮れるコマ数が多い物があります。
4K動画で120fps(1秒間に120コマ)の撮影ができる機種もあります。家庭用ビデオカメラでは、4K動画は30fpsであることがとても多いのです。
参考までに、テレビ放送は1秒間に30コマ程度です。それでもカクカクした感じはしないので、30コマあれば十分に実用的ではあるでしょう。
1秒間に120コマで撮影する必要は、普通の視聴では必要ないでしょう。しかしこれが必要なこともあります。スローモーションの動画を作る場合です。
秒間に30コマの動画を1/4の速度に落とした場合、1秒間に7.5コマになり、カクカクした滑らかさのない動画になってしまいます。
しかし120コマであれば、1/4のスロー動画でも1秒間に30コマになり、スローであっても滑らかな動きになります。
撮った動画を編集して、スローモーション動画を作成する意図がなければ、1秒間に30コマの動画が撮れれば問題ないでしょう。
もしYouTube動画を作成したいと考え、スローモーション動画を作りたいと考える方は、120fpsがベストですが、最低でも60fpsで撮影できるカメラが必要です。
ここで少し考えるべきことがあります。iPhone12以降の機種は、2Kで120fps(1秒間に120コマ)はおろか、240fpsの撮影ができるものがあります。他にも同様の機能を持ったスマートホンが、続々と発売されています。このような機能を持ったミラーレス一眼カメラは、現状では存在しません。
スマートホンの動画撮影能力が大きく上がったことが、近年の家庭用ビデオカメラの開発が進まない大きな理由にもなっています。
今やミラーレス一眼レフカメラの動画撮影性能と比較検討するのは、家庭用ビデオカメラではなく、スマートホンなのです。
それでは性能が大きく上がっている、高機能スマートホンの動画撮影能力が、ミラーレス一眼カメラのほとんどの機種を超えているのでしょうか?
この答えは、「NO(超えていない)」です。
部分的に超えているところはあるのですが、ほとんどの部分では高機能スマートホンより、ミラーレス一眼カメラの動画撮影能力は優れています。真剣にきれいな動画を撮ることを考えたら、やはりミラーレス一眼レフカメラが一番です。
その理由をこれから説明します。
スマートホンよりもミラーレスを買うべき理由
ミラーレス一眼はセンサー大きい
ミラーレス一眼カメラは、スマートホンよりもレンズから取り込んだ光(画像情報)を受けるセンサーが大きいです。
大きいことは、かなり有利になります。
大きいので取り込んだ画像情報が、繊細になります。きれいな写真や動画が撮れるようになるのです。
また撮った映像が自然な形で、背景がボケてくれます。
ピントの合った部分以外がボケてくれるため、被写体が浮き出したように見えます。センサーが大きければ大きいほど、ボケも多くなります。
背景がボケた映像を撮りたい場合は、センサーの大きなカメラが有利なのです。
ダイナミックレンジが広い
ダイナミックレンジが広いと、明るい場所から暗い場所まで、しっかりと映し出すことができます。
右がダイナミックレンジが広いカメラで撮った画像、左がダイナミックレンジの狭いカメラで撮ったイメージ画像です。
見てわかるとおり、白い壁を元に撮影すると、暗いところが真っ黒になってしまい、何があるかわからなくなってしまいました。
ダイナミックレンジの広さは、センサーの性能と、センサーの大きさに関わってきます。小さなセンサーでは、取り込む画像情報が小さいため、ダイナミックレンジは広くなりません。
高価なミラーレス一眼レフカメラは、高性能で大きなセンサーにより、スマートホンより明らかに広いダイナミックレンジを持っています。
ISO感度が違う
あまり一般的には語られることがないのですが、ISO感度の違いは、スマートホンとミラーレス一眼レフカメラではまだ大きな差があります。
レンズから取り込んだ光を増幅させる能力が、ISO感度です。数値が大きいほど優秀と考えてください。ISO感度を上げると、暗い場所でも明るさを増幅させるので、明るく記録できるのです。
ISO感度は、動画や静止画を明るく撮影するためには、とても重要な要素です。
明るく撮影する方法は、「シャッタースピードを落とす」「明るいレンズを使う」「ISO感度を上げる」という3つの方法があります。
暗い所では明るいレンズ(F値の小さいレンズ)を使い、シャッタースピードを落とします。それでも暗すぎる環境だと、明るく写せないことがあります。
そのような場合は、ISO感度を上げるのです。ISO感度を上げると、明るい写真(動画)が撮れます。
しかし注意すべきことは、ISO感度を上げると、画質が落ちます。ノイズが混じってザラザラになるのです。
一般的に常用ISO感度が高いカメラは、ISO感度を上げてもノイズが乗りにくくなります。
スマートホンはこのISO感度については、まだミラーレス一眼レフカメラに及びません。実際のところ、ISO感度の常用上限は、iPhone13が・・・で、私の購入したEOSR6は・・・です。EOSR6はiPhone13より圧倒的にノイズが乗りにくいので、ISO感度を上げることができます。そのため暗所でもきれいな画質で動画撮影ができるのです。
またシャッタースピードも動画を撮るうえではとても重要です。シャッタースピードが遅いと、手振れがひどくなります。下画像のように、暗い所で撮影すると、ほんのわずかのカメラの揺れで、ブレが起きて画像がはっきり写らなくなります。
またカメラをしっかり停止させて手振れのない状態にしても、被写体が動いた時も、被写体ブレを起こします。
ISO感度を上げられると、シャッタースピードを上げても明るく写せます。スマートホンよりもミラーレス一眼レフカメラの方が、被写体ブレや手振れの発生を抑えることができるのです。
つまりISO感度を上げてもノイズが乗りにくいミラーレス一眼カメラは、条件の悪い暗所では、スマートホンよりも確実にきれいな映像を撮ることができるのです。
レンズの性能が圧倒的に違う
レンズはスマートホンによっては、明るさの基準であるF値がとても低い物があります。2022年にはF1.6の物も発売されています。これはミラーレス一眼レフカメラのレンズでも、かなり上位のF値になります。
ミラーレス一眼レフカメラでは、F値が低くなるほど高価になります。そして大型になります。
スマートホンのカメラでもF値は、高価なミラーレス一眼レフカメラのレンズと同等になってきました。しかしF値以外の部分ではまだミラーレス一眼レフカメラのレンズの方が、当然ですが高性能です。
スマートホンカメラのレンズは、砂粒のような小さいレンズです。小さいレンズで高画質の写真が撮れるならば、ミラーレス一眼カメラの大型レンズは必要なくなります。ミラーレス一眼カメラのレンズの大きさは、いい映像を撮るために必要なことなのです。
ミラーレス一眼カメラのレンズでも、高価な物は描写性能が詳細で素晴らしいのですが、安価な物は解像度も悪く色乗りも悪くなります。つまり高いレンズを使えば使うほど、撮れる写真や動画はきれいになるのです。
明らかに家庭用ビデオカメラやスマートホンのレンズは、ミラーレス一眼カメラの高性能な交換レンズよりも性能は落ちます。そのためスマートホンやビデオカメラでは、ミラーレス一眼カメラと同様の動画や写真は、絶対に撮れないのです。
動画だけでなく、静止画(写真)の出来栄えにも大きな差があります。
ミラーレス一眼カメラの神髄は写真撮影です。当然ですが、家庭用ビデオカメラやスマートホンと比べることが失礼なほどの差があります。
またとても薄いスマートホンは構造上、光学ズームの倍率は低いです。光学ズームは5倍くらいが限度です。
しかしミラーレス一眼レフカメラは、レンズはいくらでも大きくできるため、20倍以上の望遠で撮影できます。
ミラーレス一眼カメラを買う理由まとめ
まとめると以下になります。
1)ミラーレス一眼カメラはセンサーが大きいため背景をぼかした動画が撮影できる。
2)ミラーレス一眼カメラは、ダイナミックレンジが広いので、暗い場所が黒く塗りつぶされて判別しにくくなりにくい。
3)ミラーレス一眼レフカメラはスマートホンのカメラよりもISO感度が高い。
・ミラーレス一眼カメラはISO感度を上げても画質が荒れにくいため、高い数値で撮ることができる。
・ISO感度を上げて撮影できるので、明るく写せる。
・明るく写せるのでシャッタースピードも速くなり、被写体ブレが起きにくい。
4)ミラーレス一眼レフカメラは、レンズの性能がいいのできれいな動画や写真が撮れる。
5)望遠レンズを使えば、ミラーレス一眼レフカメラはかなりの倍率で、遠くの物が撮影できる。
動画も写真も、あらゆるシーンで圧倒的にきれいに撮れるミラーレス一眼カメラを動画撮影に使うことは、価格は高いですが、最高の選択だと思います。
ただしこれは求める動画によって判断が変わります。
究極のきれいな動画を撮りたい場合でなければ、家庭用ビデオカメラやスマートホンの方が小さくて持ち運びも楽ですし、手軽に使えます。
あくまで少しでもきれいな動画を撮りたいと思う方は、ミラーレス一眼カメラを購入して動画撮影をするべきですが、そこまで考えない方は、スマートホンよりもや家庭用ビデオカメラを買っておけば、満足できることもあるでしょう。
- 少しでもきれいな動画を残したい
- 操作が面倒でもきれいな動画を残したい
- 重くて操作性が悪くても、きれいな動画を残したい
- 暗所でもきれいに撮影したい
- 望遠レンズで遠くのものを撮影したい。
- 動画だけでなく写真もきれいに撮りたい
このような気持ちが強い方は、ミラーレス一眼カメラを購入するべきでしょう。
ミラーレス一眼カメラで動画撮影するデメリット
ただしミラーレス一眼カメラで動画撮影する場合、デメリットもあります。
価格が高い
ミラーレス一眼カメラは高価です。安くても10万円くらいします。性能の高い物を選ぶと、20~60万円になります。
さらに交換レンズも必要で、これも高性能な物は非常に高いです。
プロのような動画を撮ることができる可能性はありますが、その分費用が掛かるのはネックです。
操作が難しい
明るさや画角に応じて、使うレンズを交換する必要があります。スマートホンやビデオカメラでは、何も変更する必要なくボタンを押せば環境に合わせて最適な状態で録画できますが、ミラーレス一眼カメラはそうはいきません。
ある程度のカメラの知識と経験がないと、いい動画は撮れません。
重い
高性能カメラは重くなりますし、高性能レンズも重くなります。三脚が必須になる場合もあります。
ズームが使いにくい
簡単にズームアップできるビデオカメラと違い、ミラーレス一眼カメラでは撮影しながら焦点距離を変更する(ズームする)のは至難の業です。
基本的に右手でカメラを持ち、左手でレンズをもって、その手でレンズのズームリングを回して焦点距離を変更するのですが、一気に至近距離から再遠方まで焦点距離を変更するのは厳しいです。
しかもわずかなズームリングの操作で、手振れを起こしてしまいます。
ミラーレス一眼カメラで動画を撮影する場合、三脚を使わなければ、ズーム機能は簡単には使えないと考えておいたほうがいいでしょう。
まとめ
高くて重くて操作が難しいミラーレス一眼カメラの動画撮影です。それでもどうして私がミラーレス一眼カメラで動画を撮ろうと考えたのか、最後に説明しておきます。
私はこのような動画が撮りたかったのです。
暗い所でもしっかりした動画が撮れます。
室内でも快適に撮影できます。
かなり圧縮した動画で画質は悪いですが、実際はもっときれいです。室内で照明の明るさだけの環境です。
短い動画ですが、ぜひ途中で一時停止させてみてください。120fpsで撮影したものですが、動きの速い被写体を室内で撮影しているにもかかわらず、被写体ブレがほとんど起きていないことを確認できますよ。
こんな動画が作れるのですから、私はミラーレス一眼カメラを買ってよかったと思っています。これは室内ですから、明るい高性能レンズとミラーレス一眼カメラがあるからこそ、背景がボケた臨場感のあるスローモーション動画が撮れるのです。
ただし費用がかかり、操作も大変ですから、よほどの動画好きの人でない限り、スマートホンやビデオカメラで動画撮影をすることがいいのかもしれません。