壁のない家にしたい人が増えていると言われています。これはワンルーム形式の家を考える人が多くなっているからのようです。
ワンルーム形式の家に仕切りがないのは当然ですが、家内部に仕切りがたくさんあっても、壁が少なくなる場合があります。それは仕切りがドアになる場合です。
このような家は、移動する手段でしか使わない「廊下」がとても少ないです。
わが家の一階は、廊下がほとんどないので、生活空間(部屋)は広くなっています。しかし使える壁が少ないので、少しだけ不便に感じることもあります。
壁のない家のメリットとデメリットについて、まとめてみました。
目次 (クリックで飛べます)
壁のない家について
壁がない理由も、一つではありません。
壁がない理由は2つに分けられます。
- ワンルーム形式のために、壁がない
- 廊下をなくした間取りのため、ドアがたくさんあって壁がない。
ワンルーム形式の家は、海外では多いのでしょうが、日本では大手ハウスメーカーを初めてとして、あまり推奨されているわけではありません。
それは壁のない大きな空間を家の中で作ると、耐震強度が落ちるからです。
日本では地震が多く発生します。自信のない国ではワンルーム形式の家を作ることは難しくないのかもしれませんが、日本にそれを当てはめるのは適切ではありません。
大手ハウスメーカーではワンルーム形式の家は、耐震強度の関係で、あまり力を入れて作ろうとしていません。
どちらかと言えば、大手ハウスメーカーではないところで、大手ハウスメーカーに対抗するためにワンルーム形式の家を推奨している感じですね。
そのような理由から、まだ日本ではあまり一般的でない、ワンルーム形式の家ではなく、ドアがあるので使える壁が少ない家について、これから紹介していきます。
壁の少ない家のメリット
わが家の1階には、自由に使える壁がほとんどありません。
壁がなくなった理由は、廊下がないからです。一つの部屋を中心に、扉一つで行き来できるようになっている場合、廊下という無駄なスペースがなくなり、部屋が広くなります。これが最大のメリットです。
余計な空間がないので、LDKも洋室もトイレも浴室も洗面所も、広々とさせることができます。
以前建売住宅の見学に行ったことがあります。そこで驚いたのは、それほど大きくない家なのに、廊下が家の中のかなりの割合を占めていたことでした。
これでは一つ一つの部屋は、かなり狭くなってしまいます。
そうならないようにすることで、部屋を広くできるので、快適な生活が手に入ります。
どのようにすれば廊下のない家を作れるのか、これから実例を交えて説明します。
スペースが無駄にならない家の作り方
私は家の設計はまったくの素人ですが、自分で間取りを考えて提案し、それがハウスメーカーに採用されたという経緯があります。
この経験から、どのようにして廊下のない部屋を作るのか、簡単に紹介します。
廊下のない家は、大きな空間(部屋)に別の小さな空間(部屋)をくっつけ、ドアでその空間(部屋)に出入りするようにすればいいのです。つまり一人で過ごすべき部屋、脱衣所、トイレなどは、大きな部屋から廊下を使わずに直接行けるようにするのです。
一般的な家では、大きな空間はLDKがその役を担うでしょう。LDKにほかの部屋をくっつけることになります。
それを実践して間取りを作った結果、以下のようになりました。
これが玄関ホールを除いたわが家の間取りですが、廊下はわずか1畳しかありません。
廊下がないということは、空間を効率的に使っているとも言えます。このような家を作ると廊下がなくなり、壁がとても少なくなります。
もちろんLDKの全周が扉ばかりではありませんが、扉がない場所には、壁面収納のテレビボード、冷蔵庫、キッチンやカップボードがあるため、自由に使える壁がとても少ないのです。
壁のない家のデメリット
廊下がなくなることで部屋が広くなるという、大きなメリットがある「壁の少ない家」ですがデメリットもあります。
エアコンを付ける場所がなかった
エアコンを付ける場所を考えるのに、とても苦労しました。付ける壁がないのです。
そこでやむを得ず、壁面収納のテレビボードの一角を欠いて、エアコンの室内機を付けるスペースとしました。
このためテレビボードの収納が一つ減って収納力が落ちました。また上段を支えるペース板が特注になったため、テレビボードの価格がかなり上がってしまいました。
使える壁が少ないことで起きた問題です。
リモコンニッチが付けられなかった
壁にリモコンを収納できる、リモコンニッチが付けられませんでした。付けるスペースがまったくなかったのです。
その代わり、自作の棚を作ってそこにリモコンを置いておくことにしました。
このことについては、リモコンニッチが付けられないわが家 代替案でリモコンを効果的に収納という記事を書いていますので、興味がある方はぜひご覧ください。
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時計を付ける場所が限られる
さほど大きくない時計なのですが、付ける場所が限られました。結局はベストな位置に付けられたのですが、そこしかなかったというのが本音です。
エコカラットで部屋を装飾できない
唯一大きな壁の空きスペースは、壁面収納のテレビボードを付けてしまいました。これが大きな原因なのですが、壁に付けるタイルのエコカラットで、部屋を装飾することができませんでした。
ポスターなどが付けられない
空きスペースがありませんから、ポスターを貼る場所がありません。ポスターならば壁ではなく扉にも貼れることは貼れるのですが。
使える壁は補強しよう
壁が多い間取りになった方も、壁が少ない間取りになった方も、自由に使える壁を補強してみませんか。
壁の補強とは、壁の中に1.2cm程の構造用合板を入れてもらうことです。壁下地補強と言われることもあります。
これを行うと、釘が打てますし物をねじ止めすることもできます。
わが家ではLDKには余った壁がまったくありませんが、玄関ホールは使える壁があります。
ここに入居後に装飾を施したいと考え、壁下地補強しています。
入居前には壁に物を取り付けることまで考える人は少ないでしょうが、入居後には「ここに物を取り付けたい」と考える人は結構多いです。そのような場合に、壁下地補強していないと、荷重の掛かる物をねじ止めすることもできません。
壁下地補強は頼んで行ってもらうことになりますが、その費用はあまりかからないはずです。開いている貴重な壁は、下地補強をしておくことをおすすめします。
壁補強については、壁下地補強(壁補強)は行うととても便利です!という記事を書いています。ぜひご覧ください。
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まとめ
壁のないLDKには少し不自由を感じていますが、各部屋が広くなったので満足しています。
間取りの考え方ひとつで、廊下をなくした壁のない家を作ることができます。わが家では現状では壁を使いたいことも今のところありませんから、壁のない間取りに大満足しています。
ぜひ皆さんも、壁のない(廊下のない)家を作ってみてください。