「エコプロコート」と「森のしずく」の二社は、フロアコーティング業者の中でも高い人気があります。
この二社の商品について、どちらが自分に合っているのか知りたい方のために、頂いたサンプル品でテストを行った結果を記事にしました。
目次 (クリックで飛べます)
フロアコーティングサンプルを使ったテスト
家の建築が始まって大工工事がほぼ終了する今、フロアコーティングの業者について調べてみました。一条工務店で家を建てた方の間では、エコプロコートが人気のようです。しかし調べていくと、エコプロコート以外にもフロアコーティングの業者はたくさんあることを知りました。そしてエコプロコートにこだわらず、多くの業者の中から一番いいと思うところを選ぶことにしました。
エコプロコートは確かに良さそうです。そしてエコプロコート以外にも「森のしずく」という評判の良い業者があることを知りました。この2社のうちのどちらかにフロアコーティングをしてもらうことがベストという結論に達しました。比較検討するため、エコプロコートと森のしずくに見積もりを出してもらい、サンプルを送っていただくことになりました。
衝撃テスト
エコプロコートはUVコーティングです。石油系のコーティングで、割れについてはあまり心配する必要はなさそうです。
森のしずくのナノピークスは、ガラスコーティングと言われる施工です。ガラスコーティングはと言っても、もちろんガラスを使っているわけではありません。森のしずくのHPでは、ナノスケールにまで微粒子化したケイ素成分が特徴のガラスフロアコーティングであると紹介されています。
森のしずくの主力商品であるナノピークスの一番の懸念事項は、ガラスコーティングなので割れやすいのではないか、ということです。名前を聞けばガラスだから割れやすいような印象があります。実際インターネットの情報では、UVコーティングよりもガラスコーティングのほうが割れやすいことは間違いないようです。ただしガラスコーティングでも材質が各社で違っていて、森のしずくでは細かな粒子でコーティングすることで、割れを抑えられると紹介されています。その割れにくさは、エコプロコートのUVコーティングと比べてどうなのか、確かめてみました。
テスト方法は、衝撃加えて割れ状態を確認する単純なものです。216gの重さのラチェットを、1mの高さからサンプルに落としてみました。
このテストでは、まったくの同条件で行うことが不可能でした。それはエコプロコートとエコプロコート0に比べて、ナノピークスとナノグラスコートは板の厚さがかなり薄いのです。
ナノピークスとエコプロコートの比較画像です。厚みはエコプロコートのほうが3倍ほど厚いです。今回行った衝撃テストは、同条件ではないことを前提で読んでいただけたら幸いです。
母材が割れた部分はもちろんコーティングも割れますが、これはコーティングが弱いという判断にはなりません。それ以外の部分には割れはありません。コーティングは割れなかったという判断をします。
エコプロコート同様、母材が割れたところはコーティングも割れますが、それ以外のところは割れていません。
ナノピークスに割れはまったくありません。
ナノグラスコートも割れはまったくありません。
かなりの衝撃を与えたはずですが、UVコーティングであるエコプロコートはもちろんのこと、ガラスコーティングのナノピークスやナノグラスコートにもコーティングの割れはありませんでした。
エコプロコートとエコプロコート0は、母材が厚いうえに柔らかいため、へこみが激しいです。ナノピークスとナノグラスコートは、硬くて板が薄いため、ほとんどへこみがわからないくらいです。
硬いことが有利なのか不利なのか、判断に迷うところです。母材が柔らかければ変形による形状変化に耐えたことになりますし、母材が固ければ、変形しないことで衝撃をコーティングがまともに受けたことになります。いずれにしろどのサンプルも、耐衝撃性はかなり高いと判断していいと思います。
2mの高さから再テスト
もう少し激しいテストをしたいと考え、2倍の2mの高さからラチェットレンチを落としてみました。
ナノピークス以外は母材が割れました。しかしその部分以外の割れはありません。ナノピークスの画像で手前にある材料端のへこみは、ラチェットレンチを落とし損ねたものです。端なのでかなりへこみましたが、コーティングに割れはありません。
実際216gのラチェットレンチを2mの高さから落とすことは、とても激しい衝撃を受けます。日常生活でこれと同じレベルの衝撃が床に加わることは、ほとんどないと思われます。
そのようなテストでも割れが発生しなかったのですから、どの商品も割れについては心配する必要はないと考えられます。
水のはじきを比較
次に水のはじきを確認しました。ほぼ同量の水滴を垂らしてみました。
表面をアルコールで拭いて、油分を完全に排除してからテストしました。
水のはじき具合は、ナノピークス > ナノグラスコート = エコプロコート0 > エコプロコート という結果になりました。
ナノピークスのはじきが際立っていました。
薬剤に対する耐性
家にあった漂白剤をサンプルに滴下して、耐性をテストしてみました。
使用したのは塩素系漂白剤です。
各サンプルの左下に1滴、漂白剤を滴下しました。2時間ほどで完全に乾燥していました。
エコプロコートに漂白剤を垂らした部分の変化はまったくありませんでした。
ナノピークスにも変化はまったくありません。
ナノグラスコートだけ漂白剤を付けた部分の艶が、わずかに失われているのがわかるでしょうか。もともと艶の少ないコーティングだけに、指でこするとすぐにわからないレベルには戻りました。
この漂白剤を使ったテストでは、エコプロコートとエコプロコート0、そしてナノピークスはまったく変化なしで問題ありませんでした。ナノグラスコートのみ、わずかに艶が失われました。
その他のフロアコーティング性能比較
コーティングの膜厚
コーティングが厚い方が、当然ですが耐久性も強くなります。ガラスコーティングはUVコーティングよりも薄いと言われていますので、ナノピークスのコーティングは薄いのではないかと思っていました。しかしサンプルを見た限り、エコプロコートと同様の厚みがあるようです。
硬度
ナノピークスはH7の硬度があるとされています。Hとは硬さを表す記号で、その後ろに付く数字が大きいほど硬くなります。硬ければ固いほどコーティング表面に傷が付きにくくなります。
エコプロコートは4H~6Hと想像されます。ホームページでも正確な硬度は書かれていません。UVコートという特性から考えても、H6が限界でしょう。ナノピークスのH7には及ばないことになります。
フロアーコーティングは硬度が高い方が、傷が付きにくいことは間違いありません。
安全性
我が家では10月に子供が生まれる予定です。フロアの有害物質含有については、絶対に高い安全性が必要です。どちらの会社も安全性に問題はないとしています。おそらくどちらも高い安全性を持っていると思われます。
保証期間
保証期間はエコプロコートが20年で、森のしずくナノピークスが30年です。20年も持てば十分だと考えるかもしれませんが、保証期間が長いほうがありがたいです。
20年先とはとても長い時間のように思えるかもしれません。しかしよく考えてみると、当たり前のことですが20年と30年の差はかなり大きいです。30年たてば家自体も古くなっているから床のコーティングが劣化していてもいいのかもしれません。しかし20年で保証がなくなるとしたら、ちょっと短い気がしませんか。意外に20年という期間は短いものなのです。今はいいですが、将来のことを考えたら、30年保証の商品の方がいいことは間違いないです。
森のしずくナノピークス
森のしずくナノピークスに決定
テスト結果とその他の情報収集から、私は森のしずくを選ぶことになりました。硬いので傷がつきにくいこと、30年保証であること、そして持ち主の付けた傷も補修してくれるというサービスがあることがとても魅力的だからです。テスト前はガラスコーティングであるナノピークスの、衝撃に対する割れが心配でした。しかしテストしてまったく問題ないレベルであったことも大きな判断理由です。
フロアコーティング施工後
一条工務店i-smartで家を建てた方は、フロアコーティングを行う割合が、他のハウスメーカーで家を建てた方よりも圧倒的に高いようです。
新築時にフロアコーティングすることを検討されている方も多いのではないでしょうか? フロアコーティングをした家に住んでいる方のブログを読むと、施工したフロアコーティングを絶賛されてい方が多いです。
我が家もフロアコーティングをしました。そして施工したことについての本音をまとめてみようと思います。
我が家のフロアコーティング
我が家ではガラスコーティングと一般的には呼ばれているタイプのフロアコーティングを施工していただきました。家のすべての床にコーティングがされています。
施工したのは画像の通り、光沢の強いタイプです。家じゅうの床がピカピカです。
フロアコーティングの家に入居したばかりの感想
入居したばかりに思ったことを正直に書きます。
引っ越しで荷物を運びこみますが、重い荷物をフロアに置いて、そのまま引きずるとすぐに傷が付いてしまいます。やや暗めの床に光沢の強いコーティングだと、傷がとても目立つのです。そのため物の引きずりにはとても気を使う生活が始まりました。これは予想以上に不便なものになりました。
フロアコーティングの傷について
せっかくフロアコーティングしても、すぐに傷が付いてしまい、それが目立つとがっかりです。傷については、ガラスコーティングのものを選んでいます。コーティングの中では、ガラスコーティングが最も硬度が高く、傷が付きにくいと考えたからです。しかし引きずるものと床の間に砂粒などが挟まっている場合は、硬度などまったく関係なく、傷は付いてしまいます。
そのためすべてのテーブルや椅子は、床に設置する足部分に、フエルトを貼り直す作業が必要になりました。
少し後悔したのは、光沢の強いタイプを選択したことでした。先ほども書いたとおり、本当にキスがよく目立つのです。
傷を目立たなくするために
傷を目立たなくするためには、光沢の少ないタイプのコーティングを選択する方法があります。
光沢を少なくするための施工方法は、以下の二つの施工方法になります。
- 表面に凹凸をつけるための特殊施工をする
- コーティング膜を薄くする
1の場合だと、特殊施工するため費用が上がってしまいます。
2の場合は、コーティング膜が薄くなるので、耐久性が落ちます。
どちらもあまり歓迎できなかったので、我が家では光沢の強いタイプを選択しています。その結果傷が付くことを気にしながらの生活になっています。
森のしずく
我が家では森のしずくのナノピークスでフロアコーティングしました。ガラスコーティングで硬度がウレタン系のコーティングよりも硬く、傷が付きにくいことと、30年保証で、我々客が日常生活で傷つけた傷までも無料で保証してくれるサービスがあるからです。
傷が家全体付いて目立つようになった場合は、補修をしてもらうこともお願いできます。ただし少しの傷で補修をお願いするのは気が引けますから、どのタイミングでお願いするのかはしっかり考える必要があります。
しかしこの施工業者を選択することで、他の業者に施工してもらうよりも傷を気にしないで生活できるでしょう。
フロアコーティングするメリット
入居してしばらくのあわただしい時は、傷が目立ちやすいことがとても気になりました。コーテイングの利点よりも、そのことだけが気になって、コーテイングをしたことを後悔するくらいでした。
【会社での仕事が数倍に増加】【大量の家の手続き】【荷物の片付け】【妻の妊娠】【新しい土地での生活】など、入居後2ヶ月間は大変な生活でした。余裕などまったくありません。
そんなこともあり、落ち着いてフロアコーティングの評価をする余裕もなかったのです。そのためフロアコーティングの悪いところしか考えていませんでした。
しかしこの認識は間違っていました。コーテイングはとてもたくさんの利点があります。
床が滑らない
これはぜひ体験してもらいたいです。すべてのコーティングで同様の摩擦係数があるのかわかりませんが、森のしずくのナノピークスは、靴下を履いていても滑りません。
入居前には階段に滑り止めを付けないと危険だと思っていましたが、フロアコーティングしたことで階段に滑り止めを付ける必要はなくなりました。
家の引き渡し翌日にフロアコーティングを施工してもらったので、ほとんどコーティングなしの床を歩いていません。そのためコーティングされた床が当たり前の認識になっています。つまり床は滑らないことが当たり前なので、あまり恩恵を感じていなかったのです。
しかしコーティングをしていない知人の家に行ってみると、床面は靴下を履いたら危険なほど滑ります。その危険をなくすことができることは、コーティングのとても大きな利点です。もちろんコーティング業者によって違いはあると思いますから、業者の選定時には施工後の滑りにくさを確認しておくといいでしょう。ホームページに「コーティング後に滑りにくくなる」とされていれば大丈夫でしょう。
ぜひ滑りにくくなると言われているフロアコーティングで、その滑りにくさを体験してもらいたいです。この点は素晴らしいですよ。
子供は床面にスライディングして滑りを楽しむ遊びを好むこともあります。フロアコーティングされていると滑らないので、その遊びはできませんので、そこはデメリットになるかも?
飛び散った液体が染み込まない
どんな液体が床面に飛び散ったとしても、床面に染み込むことがありません。
我が家では少し視力の悪い母が、よく水などを床に落としてそのままにしていることがあります。しかしコーティングを施工してあるので、気にする必要がありません。これはとてもありがたいことです。
来客者が驚く
まだまだフロアコーティングを施工した家はそれほど多くありません。ピカピカに床がコーティングされた家を見るのが初めてという人が大多数です。そのような人は玄関ドアを開けた瞬間に、床面を見て驚きます。「すごい!!」といってもらえることは、ちょっとだけ心地いいです。
少しだけ気になったこと
ちょっとだけ気になったことを書かせていただきます。
床鳴り
実は施工後に少しだけ床鳴りがしました。フロアコーティングが原因ではないのかもしれませんが、歩くと軋み音の出るところが数か所ありました。しかしその場所を数回歩くだけで音が消えてしまい、その後再発していません。
フロアコーティングすると、床鳴りなどの問題が起きた時、何が原因なのかわかりにくくなってしまうことがあります。ハウスメーカー(一条工務店)とここまで付き合ってきた経験で話をさせてもらいますが、「床鳴りはフロアコーティングをしたからです。フロアコーティングをした場合、保証の対象外となりますから、床鳴りについては今後対応はできません」という対応は絶対にないと思います。しかし地元の工務店やハウスメーカーによっては、フロアコーティングをした場合、床鳴りが起きても保証対象外になる可能性があると聞きます。
この点はぜひ確認しておくべきだと思います。そして床鳴りが出た場合に、フロアコーティングの施工業者に、対応をしてもらえるかどうかをあらかじめ確認しておかなければなりません。
床板の反り
生活に支障のあるほどではありませんが、部分的に床板の反りが発生しています。板と板のつなぎ部分が、ほんの少しだけ持ち上がっている状態のところがたくさんあります。
これも床板の問題なのか、それともフロアコーティングが原因なのか判断が難しいところです。この反りが上記の床鳴りにもつながっている可能性もあるかもしれません。ひどく気になるわけではありませんが、このような現象も起きていることは理解したほうがいいかもしれません。
フロアコーティングまとめ
「滑りにくくなる」ことと「液体が染み込まない」にはとても満足してます。
しかし他のブロガーさんたちが大絶賛するほど気持ちは持っていません。施工していいところもありますが、悪いところもないわけではないからです。特に傷が目立ちやすくなることと、今後の床鳴りが起きるかもしれないことがとても気になります。
もしフロアコーティングをするかしないか迷っている方は、キャンペーンを行っているブロガーの方や、特別に業者とつながりを持っているブロガーの方の記事を参考にせず、つながりのまったくない方の情報を参考にされるといいと思います。
有名ブロガーさんに宣伝してもらうことで、フロアコーティング業者は客を増やすことができるはずです。そのためブロガーさんにはコーティング業者から見返りがあるのです。キャンペーンで私たち施主が恩恵を受けることがありますが、紹介しているブロガーさんにも業者からの見返りがあるのです。そのようなシステムでは、ブロガーさんは自分の紹介しているコーティング業者の悪い部分は書かないと思うのです。
まったくフロアコーティング業者と施工関係以外でつながりを持たない私の、コーテイングについての結論は以下のようになります。
コーティングは床が滑らないし、液体をこぼしても安心できます。傷が目立ちやすいことはマイナスポイントですが、それを補って余りあるものです。ただしとても高い費用をかけて行ったことですから、このくらいの効果はあってくれなければ困ります。
コーティングしたことで日々の生活は楽になっていますので、満足はしています。しかし耐費用効果がわかるのは、今後もずっと満足していくことができるかどうかにかかっています。つまり施工していただいた業者さんの対応次第ということになります。
施工するのに高い費用がかかっていても、「もりのしずく」さんが傷ついた部分の補修を保証書通りに行ってくれるのであれば、我が家のフロアコーティングはとても満足度の高いいい買い物だったと言えるでしょう。
※フロアコーティングをする時に考えることについての記事を書いています。興味のある方は是非ご覧ください。
-
【フロアコーティング考察】ネット上の情報をすべて信じると危険です!
新築するときフロアコーティングをするかしないか、検討する方も多くなってきました。 フロアコーティングについての情報は、インターネットで調べることがほとんどですが、この情報も様々な思惑があり、すべてを信 ...
続きを見る