せっかく建てた家が白アリ被害を受けたくないものですね。各ハウスメーカーもシロアリ被害を受けないための防蟻処理には力を入れています。
私の建てている一条工務店のi-smartも、「ここまでやるか!!」というくらいしっかり防蟻処理がされています。
白アリ被害について考えたことのない方も、知っておいて損はないと思いますので、ぜひ読んでください。
目次 (クリックで飛べます)
白アリ被害について
日本には多くのシロアリが住み着いており、白アリ被害に遭うことは、珍しくありません。
シロアリの種類について、シロアリ駆除のファインドプロでは、以下のように説明されています。
日本で被害が多いシロアリの種類
日本で確認されている24種類のシロアリのうち、住宅に悪影響を与えるシロアリとして認識されているのは、以下の5種類です。
下記の白蟻は、被害件数が多い順に記載しています。
- ヤマトシロアリ
- イエシロアリ
- アメリカカンザイシロアリ
- ダイコクシロアリ
- タイワンシロアリ
上記の中でも被害の多い、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリの特徴を下記の表にまとめてみました。
ヤマトシロアリ イエシロアリ アメリカカンザイシロアリ 分布 北海道の北部を除く日本全土 千葉県以西の温暖な沿岸部 宮城県から沖縄まで24都道府県に点在 巣 加害箇所に住み着く(巣は作らない) 加害箇所とは別の場所に塊状の大きな巣をつくる 加害箇所に小集団で住み着く(巣は作らない) 1集団の個体数 2~3万匹 50~100万匹 数百~数千匹 分類 土壌性シロアリ 土壌性シロアリ 乾材シロアリ 表の中の「分類」についてですが、シロアリは大きく「土壌性シロアリ」と「乾材シロアリ」に分けられます。
どちらも家屋に被害を与える点は同じですが、生態が異なります。出典:ファインドプロ>シロアリの種類を見分ける!種類別の駆除方法を紹介
白アリの被害は、家じゅうに及ぶこともあります。
シロアリ駆除の老舗である株式会社雨宮に、白アリ被害の例が紹介されています。
躯体部分でのシロアリ被害事例
柱
最近は洋風で柱が露出していない建物が多くなっています。しかし、壁を壊したり穴を開けたりして、中の柱のシロアリの調査をすることは稀なケースです。 多くは床下からわずかに見える情報が頼りですが、それを見逃せばたちまち大被害につながります。
床束
最近の建物には床束そのものがなかったり、あっても金属製やプラスチック製のものが多く使われています。
これらの家ならシロアリの被害を受けないのか?
いいえそうではありません。金属製のものでも表面に蟻道を設け材木部分までたどりつき被害が発生します。土台
外基礎断熱や、基礎の化粧モルタル。どちらも共通していることは基礎本体の外側に別の層がくっついているということ。 それによりできるほんのわずかな隙間でも、シロアリは本能的に見つけ侵入してきます。
出典:株式会社雨宮>シロアリ被害をほうっておいたらこんなことに…
一条工務店のシロアリ対策
一般的な新築家屋では、白アリ対策は、大きく分けると二つに分かれます。
シロアリ対策
- シロアリの侵入を防ぐ
- 侵入されても食害を食い止める
この二つをすることで、ほとんどシロアリ被害を受けないようにすることができます。
白アリの侵入を防ぐ
白アリの侵入を防ぐ対策は、第一に家にシロアリを侵入させないということです。一条工務店ではシロアリの侵入を防ぐため、様々な対策がされています。
基礎の完全密閉
一条工務店の基礎内部は、外部と完全に遮断するように考えられています。基礎の外側からシロアリが浸入するのは目で見てもわかるのですが、土の内部や基礎の途中にある穴から内部に侵入されたら、気付くことが遅れる可能性があります。それを避けるため、基礎の内部は外部とのつながりを完全に断つように考えられています。
一条工務店の基礎判定は、ベタ基礎がほとんどだと聞いています。我が家も正直これ以上ない強固な地盤だと思っていたのですが、ベタ基礎判定でした。しかしごく一部で、布基礎になるようです。
布基礎でも全面をコンクリートで覆うことになり、見た目にはべた基礎と見分けがつきません。床下に湿気がこもることを防止するため、今ではどのハウスメーカーも、布基礎でも家の下はすべてコンクリートでおおわれていることが多いのです。
そのため家の下から基礎内部にシロアリが入って来ることはありません。
水抜き穴の防蟻処理
土台取付けや上棟までに基礎の中に水が溜まることがあります。この水を排出するため基礎には穴が複数開けられていますが、これは上棟後にすべて塞がれます。
万が一ふさぎきれなかった場合を考えて、基礎内部に防蟻塗装がされており、シロアリの侵入を食い止めるようになっています。
各種ホース出入り口からのシロアリ侵入防止
水道配管、エコキュートの配管、床暖房関連の配管など、基礎に穴を開けて配管類を通すことがあります。この配管用の穴からシロアリが浸入する可能性があります。これをすべてシール材でシールしています。
全記述の水抜き穴と同様に、万が一シールが完全でなく内部にシロアリが侵入しようとしても、基礎側に防蟻塗装がしてあり、シロアリが侵入できないようになっています。
通風孔の侵入防止
家は基礎と土台の間に、風を通す「風通し」が付けられています。ここからシロアリが侵入する可能性があります。
一条工務店ではこの部分に網を張り、白アリが侵入しないようにしています。
基礎の外側から内部に白アリが入らない対策です。
土とポーチに対する防蟻処理
玄関ポーチなどの外部コンクリート施工部分には、土の中にシロアリ防止の薬剤が撒かれています。
家の基礎と玄関ポーチは配筋でつながれているので、割れる可能性は少ないと考えます。しかし万が一玄関ポーチとの境が割れた場合、割れ部分からシロアリが上がってくる可能性が考えられます。そのため玄関ポーチの接合する基礎部分に、防蟻剤が塗布されています。
これがあるので割れから万が一白アリが上がって来ても、基礎より上まで侵入してくる可能性はかなり低くなります。この施工はエコキュートの土台や勝手口ポーチにも施されています。
食害を食い止める
一階木材の防蟻処理
ここまでの謀議処理で、土台までシロアリが侵入することはまずないでしょう。
でも万が一、土台まで白アリに侵入されても大丈夫です。一条工務店では、一階の壁まですべて防蟻処理が施された木材を使用しています。この効果は75年間続くそうです。このためシロアリが侵入しても、まず間違いなく食害被害を受けることはないと考えてもいいでしょう。
一条工務店のHPでは、以下のように説明されています。
工場生産だから、部材を丸ごと処理できる
外部に接し、シロアリや腐れの影響を受けやすい構造材及び下地材には、隙間なく徹底的な処理を施すことが重要です。一条の家は、組み合わせると見えなくなる部材の面も工場で丸ごと処理。躯体の組み立て後に薬剤を表面塗布する一般的な現場処理とは異なり、シロアリの入る弱点をつくりません。
建築基準法の規定を超える広い施工範囲
建築基準法で定める一般的な防腐・防蟻の処理範囲は、地面から1メートルの高さまで。これに対して一条では、床下と1階の構造材のほぼすべて、1階の断熱材、バルコニー、破風板にも処理を施します。
もちろん断熱材にも防蟻処理
シロアリは、木材だけでなく、断熱材やコンクリートなどあらゆるものにかじりつきます。一条では、断熱性を末永く保っていける様、断熱材にも防蟻処理を施しています。
出典:一条工務店公式サイト トップページ>テクノロジー>適材適所の防腐・防蟻処理
品質意識について
このようにやり過ぎと思えるくらい徹底的にシロアリ対策をしてくれることは、我々客としてはとてもありがたいことです。私がハウスメーカーを決めた時には、もちろんこのような防蟻処理についてのことは知りませんでした。実際に家を建てていく過程で、どのくらいしっかりと家について考えてくれているのかがわかり、満足感も増しています。
基礎の頑丈さや基礎断熱の施工、そしてやり過ぎとも言える防蟻処理などは工事着工後に知ったことです。メーカーホームページにも詳しいことは書かれていません。このような細かな所にも気を配っているために、坪単価が高くなっていることも理解してあげてほしいところです。
シロアリ対策の疑問点
一条工務店のシロアリ対策について、インターネットで情報を集めると、様々な意見が出ていますね。
- 木材の防蟻処理は75年続くというが、その根拠がない
- 木材の防蟻処理は健康に問題ないというが、その根拠がない
- 木材の防蟻処理は、搬送時に木材が水にぬれると、流れ落ちてしまうのではないか?
確かにこのような意見は納得できる部分もあります。そのような意見を考えた時、一条工務店という会社を信じるか、それとも信じないかがポイントだと思います。
疑問を持つことは間違っていません。しかしもしそのような公表を信じないとしたら、何を信じられるのでしょうか?
子供のおしゃぶりに「子供が口に入れても安心な材質でできています」と書かれていても、「そんな説明書きは信じられない」となるのでしょうか? どれも信じられないので、買うのをやめてしまうのでしょうか?
メーカーの公式文書や公表値は、程度は信じるしかないことも多いのです。そうでなければ何一つ買い物ができなくなってしまいます。
あまりにも怪しいものは疑うべきでしょうが、一条工務店の防蟻処理した木材の耐年数を疑うのならば、多くの製品の性能を疑うことになってしまわないでしょうか?
ブログで防蟻処理の耐年数などを疑った人でも、そのほかの記事ではメーカー公称値をあっさりと認めていることがあります。この違いは何なのでしょう?
私は一条工務店関係者ではありませんから、一条工務店の肩を持つつもりはありません。ただし素晴らしいものは素晴らしいと伝えたい気持ちはあります。その気持ちがあったので、このような記事を書いたのです。
一条工務店の防蟻対策についてほんのわずかでも疑問を感じている方は、この記事を否定されるかもしれません。それはまったくの自由です。実際それが正しいのかもしれないのです。私は一条工務店を信じていますが、防蟻処理が正しいという根拠はありませんから。
私は騙されているかもしれませんが、わが家はシロアリに対してしっかりした対策が取られており、安全であると信じています。
ローコストメーカーや個人の工務店、有名ハウスメーカーなど家を建てるために契約するところはたくさんあります。一条工務店に対する私の気持ちのように、一条工務店に関わらず契約後もずっと満足できるハウスメーカー選びができたらいいですね。