ブラザーのDSP-J987NWというプリンターを購入し、ベルカラーというメーカーの互換インクを使ってみました。
このベルカラー製インクは、わが家で使ってみた限りではかなり優秀でした。
しかしちょっとだけ注意すべきことがあります。このベルカラーのインクは、顔料のインクと染料のインクがあり、どちらを買えばいいのか考えなければなりません。また注射器セットやチップリセッターなる付属品も発売されていて、それらが本当に必要なのか、少々わかりにくいのです。
そこで実際にわが家でベルカラーのインクを購入して使用した経験から、どの製品を購入すべきなのか紹介します。
目次 (クリックで飛べます)
互換インクはベルカラー
家庭用プリンターの互換インクですが、今では多くのメーカーが参入しています。正規のインクが高すぎるので、互換インクを使いたいというユーザーが多く、ニーズも年々増加しています。
いくつかの互換インクメーカーがある中で、私がベルカラーを選んだのは、品質を信用しているからです。
以前はブラザーの製品に使える互換インクメーカーがありました。タダプリントという会社でした。このタダブリントの互換インクを、ブラザーのDCP-J925Nという機種に使っていたのです。
この互換インクのカートリッジは「ビックタンク」と呼ばれていて、正規のインクカートリッジの10倍以上の容量がありました。
上画像の通り、プリンター本体から大きくインクタンクがはみ出しています。
このカートリッジにはゴム製の蓋があり、それを外すとインクを補充できるようになっていました。
これをわが家では9年使い続けました。かなりの量の印刷を繰り返し行いましたが、インクは尽きることがありませんでした。
当時の純正インクカートリッジは、カラーでA4の用紙に印刷したところ、わずか50枚くらいでインクが尽きてしまいました。あっという間にインク切れの表示が点灯したので、故障したのかと思うくらいでした。しかしその後はビックタンクを使うことで、インク切れを機にすることなく、快適に印刷ができました。
わが家では新しいプリンターにもタダブリントの互換インクを使う予定でいました。しかしタダプリントの製品は、新しいプリンターには発売されていませんでした。どうやらタダプリントという会社は、活動を停止しているようです。そこでタダブリントのインクを買うのは諦め、他の互換インクメーカーを調べてみました。
調べているとベルカラーという会社の発売している互換インクの中に、見覚えのあるインクカートリッジを見つけました。わが家で使っているビックタンクにそっくりです。
もしかしたらタダブリントが社名をベルカラーと変えて、ビックタンクを今でも製造、販売しているのではないかと思ってしまいます。
タダプリントのコンセプトとコストパフォーマンスは最高でした。それが引き継がれている(と想像する)ベルカラーの互換インクかもしれませんから、とても魅力的です。
さらに調べてみると、今でもやはりコストパフォーマンスは最高でしたし、品質も相変わらずよさそうです。
様々なプリンターに使う互換インクのメーカーがありますが、おそらくベルカラーの品質が一番いいのではないかと(私個人は)思っています。
ベルカラーの互換インク
ベルカラーの互換インクを使う場合、以下のようなものが売られています。
- インクカートリッジ
- 詰め替え用インクボトル
- 注射器セット
- チップリセッター
これらの使い道を紹介します。
インクカートリッジ
プリンターメーカーの純正インクカートリッジと同様に、プリンターにセットして使うインクカートリッジです。
ベルカラーでも物により、インク残量がプリンターで表示されるものと、表示されないものがあるようです。
詰め替え用インクボトル
インクカートリッジのインクがなくなった場合、それに補充して使うためのインクの入ったボトルです。
注射器セット
空になったインクカートリッジに、詰め替え用インクボトルからこの注射器でインクを補充します。
チップリセッター
純正インクカートリッジは、インクが空になると「空になったから使用できない」という書き込みが行われます。そうなるとインクをカートリッジに補充しても、使うことができません。
チップリセッターは空になったインクカートリッジのチップの情報を書き換え、インクが空で使えないという情報を削除してくれます。これを使うと純正インクカートリッジでも、インクを補充して再使用できるのです。
このような物が発売されていますが、すべてを購入する必要はありません。何を買えばいいのかは、以下で詳しく説明します。
これらをどのように買えばいいのか
互換インクを買う場合は、以下2つの方法があります。
1)互換インクカートリッジを買い替える
簡単なのはインクカートリッジが空になったら、その都度互換インクカートリッジを購入するという方法です。チップリセットも液補充も必要ありません。最も手軽です。
インク詰め替えに比べるとコストは高くなりますが、それでも互換インク代金は純正の約3/4です。実際に互換インクカートリッジだけを購入し続けているユーザーは多いようです。
この場合は手軽に使えるのですが、なくなったインクだけを購入することはできません。4色が1セットになって売られているからです。1つの色がなくなっただけで、1セット購入するのは少しもったいない気がします。互換インクを使う場合のコストパフォーマンスは、純正インクカートリッジを買うよりも安いですが、それでも20~30%のコストダウンにしかなりません。
2)純正カートリッジにインクを補充する
純正カートリッジが空になったところで、互換インクを補充するやり方があります。
この場合は純正カートリッジのインクが出る部分から、注射器を使ってインクを注入します。正直、専用の注射器がなければインクを補充することは不可能ではないかと思います。
互換インクを使う場合は、注射器は必須です。
また純正カートリッジはインクが空になると、もうそのカートリッジは使えないという情報が書き込まれます。その状態ではインクをカートリッジに補充しても、プリンターで使うことはできません。
そのためチップリセッターという機械が必要になります。
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チップリセッターでカートリッジの「インクが空になった」という情報をリセットし、インクを補充します。これで純正インクカートリッジが再び使えるようになります。
この場合に必要になるのは、注射器、チップリセッター、詰め替えインクボトルです。注意が必要なのは、チップリセッターの電源は、タイプBという端子接続になるため、所有していない場合は購入する必要が出てくることです。
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そしてこのチップリセッターで注意してほしいのは、チップをリセットする回数に制限があることです。120回しかリセットできません。値段が4,000円程するので、1回に付き33円くらいのコストがかかることになります。
それらを考えると、純正カートリッジにインクを補充するやり方は、ちょっと初期にはコストが余計にかかります。しかし補充用の純正インクを継ぎ足して使うのはとても安くなります。
どちらがいいのか?
どちらがいいのか考えた場合、コストを考えたら圧倒的に、2)の純正カートリッジにインクを補充する方法がいいでしょう。
ただしインクを継ぎ足すのはかなり面倒ですから、手軽さを考える方は、互換インクカートリッジを購入する方がいいかもしれません。
- 簡単に使うのであれば純正インクカートリッジを購入する
- 手間がかかってもコストパフォーマンス重視で考える場合は、純正カートリッジにインクを補充する
インクを補充する場合の買い方
純正インクカートリッジにインクを補充する場合の、おすすめの購入方法をお教えします。
1)チップリセッター付きのセットを使う
ベルカラーには注射器、チップリセッター、詰め替え用インクの3点がセットになった物が売られています。
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これさえあれば、純正カートリッジにインクを補充して使うことができます。
このセットは黒(ブラック)顔料系50ml、カラー(シアン・マゼンダ・イエロー)染料系各30mlとなっています。
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3年保証 ブラザー 互換 LC3111 / LC3117 / LC3119 / LC3129 詰め替えインク4色 ( 純正比約2-6.2倍 ) +リセッターセット ベルカラー製
このセットの弱点は、詰め替え用インクボトルの容量が少ないことです。50ml~30mlでは詰め替えて使うには少なすぎます。大量に印刷する人は、すぐになくなってしまいます。
互換インクボトルの容量がもう少しあれば、このセットはお買い得ではあると思います。
とはいえ大量に印刷する予定のない人は、インクが50ml~30mlの容量でも、純正インクよりはコストパフォーマンスも高いです。必要な物すべてが入ったセットで7,000円ほどですから、買ってみるのも悪くないと思います。
大量に印刷する予定のない人は、たくさんのインクが入ったボトルを買っても使い切らずに無駄になります。インクの容量からすると黒もそれ以外の色も、3回ほどインクカートリッジに補充することができます。
その場合、純正インクカートリッジをを購入すると12,000円ほどかかります。互換インクカートリッジを購入すると9,000円程になります。このセットは7,000円程で売られているので、最もコストパフォーマンスはいいことになります。
インクが足りなくなったら、追加でインクも売られていますから購入することができます。
2)補充インクセットとチップリセッターを別々に買う
互換インクとチップリセッターのセットはインクカートリッジを購入するよりも安価ですが、それでも驚くほど安くはなりません。
そこでおすすめの方法は、純正インクカートリッジを使用し、4色すべてが250mlの容量の詰め替え用インクセットを購入し、さらに追加でチップリセッターを別に購入するのが最もコストパフォーマンスがいいやり方です。
詰め替えインクボトルを使う場合、前述したように、注射器セットは絶対に必要です。
「インク4色(250ml)」「注射器」「手袋」が入ったセットを購入し、それとは別に「チップリセッター」を購入するのです。
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250mlとは、相当大きなボトルです。小さなペットボトルの半分の量のインクが入っています。これを使い切るのは、相当な量の印刷をしないないと無理です。
このセットにチップリセッターを追加購入します。
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わが家で前のプリンターで印刷した枚数は、一般家庭ではかなり多い方だと思います。A4用紙に印刷しただけでも、1,500枚くらいはあったと思います。それでもビックタンクと100mlの詰め替え用ボトルを使い切ることがありませんでした。おそらく私の使い方では、250mlを5年間で使い切ることはないでしょう。
チップリセッターについて
ベルカラー製のチップリセッターですが、使用回数に制限があります。
ほんの少し前まで40回しか使用できなかったのですが、現在は120回使用できるものが販売されるようになりました。
120回とすれば、平均的にインクがなくなった場合、4色で30回ずつインクを補充して使えることになります。一般的な家庭であれば、プリンターの寿命が来るまでに30回インクを補充することはなかなかないと思います。私の使い方では、絶対にチップリセッターの使用制限を使い切ることはなさそうです。
もし120回の使用回数制限が気になる方は、ベルカラー製ではありませんが、使用回数無制限ではないかと思われるチップリセッターも売られています。
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使用回数が明記されていないため、おそらく無制限でリセットできると思われますが、その分値段も高く9,000円くらいします。
私は120回、インクカートリッジを再利用できれば問題ありませんから、ベルカラー製を購入しています。
顔料と染料
わが家で購入したセットの黒色インクが染料でした。
インクには「顔料」と「染料」の二種類があります。
ここでインクで顔料と染料の違いについて、簡単に説明しておきます。
純正インクにもベルカラー以外の互換インクにも、顔料と染料の2種類の物があります。
ベルカラーでは4色のうち、イエロー、シアン、マゼンダは染料インクしかありませんが、ブラックは顔料と染料の両方が用意されています。
顔料は水に濡れても滲みにくいです。しかし染料は水に濡れると、一瞬で字もまったく読めなくなってしまいます。
役所に提出するような書類をしっかり作って持参しても、途中で濡れてしまったら文字が読めなくなって提出もできなくなります。
その点顔料は、少々濡れた程度では文字は滲みません。
デメリットはほんの少し値段が高いということと、発色がやや染料のほうがいいことです。
黒の場合は顔料の方がやや薄めだと言われています。
顔料の互換インクを使ってみましたが、あまり違いは感じられませんでした。もし黒色のインクだけを別購入する場合は、私は顔料のインクを購入する予定です。
保証
ベルカラーのインクを使ってつまりなどで故障した場合は、ベルカラーが保証をしてくれるそうです。ただし本体の無料保証期間中だけになりますが。
それでもこの保証はありがたいです。インク詰まりが出た場合、互換インクを使ったら、メーカーは保証してくれません。無料修理期間でも、有償修理になります。これをベルカラーが保証してくれるのですから、安心できます。
わが家でタダプリントの互換インクを購入したのは今から9年前で、互換インクの詰まりはごくたまに発生していました。プリンターのノズルクリーニング機能を使って掃除すると、詰まりは改善されました。
わが家でタダプリントの互換インクを使った時は、まだ互換インクで安定して使える物がほとんどない時期でした。その時期には少々の詰まりがあっても仕方ないと私も思っています。
現在のベルカラーは、使うプリンターの詰まりの保証までもしてくれるのですから、相当品質に自信があるものと考えられます。
おそらくベルカラーは、それから研究を重ねて、インク詰まりが自社製品では起きないことに、かなり自信を持っているからこそ、詰まった時には保証すると宣言しているのだと思います。
写真の印刷比較
ベルカラーのインクと、純正のインクで写真を印刷してみました。
私のレベルでは差がまったくわかりません。ベルカラーのインクは相当高品質です。前に使っていたタダプリントの互換インクは、私の目で見ても純正インクとは出来具合が違っていました。人の肌の色も、かなりくすんでいました。しかしベルカラーのインクは、そのような違いがまったくありません。
コストパフォーマンス
今回私が購入した互換インクの費用は以下です。
- チップリセッター値段:約4,000円
- 互換インクセットの値段:約5,300円
- トータル:約9,300円
- 容量:全色250ml
計算すると以下のようになります。
コスト比較
- 互換インク:9,300円/((各色250ml×4)=9.3円/ml
- 純正インク:3,700/(黒10ml+イエロー7ml+シアン7ml+マゼンダ7ml)=119.4円/ml
互換インクは1mlあたり9.3円で、純正インクは1mlあたり119.4円で、実に12.8倍のコストパフォーマンスがあることになり、圧倒的にベルカラーの互換インクを使った方が、安くなることがわかっていただけると思います。
注意点
注意してほしいのは、本体のシステムソフトのバージョンアップをすると、互換インクが使えなくなることがあるかもしれないことです。
そのため本体の初期設定時、本体プログラムを「自動でバージョンアップしない」という設定にしました。現時点で問題なく使えているので、よほどのことがない限り、本体プログラムのバージョンアップは必要ないとの判断です。
まとめ
まだベルカラーの互換インクは使い始めたばかりです。これからも経過報告として、この記事に追記していきます。
品質的に私が使った限りではまったく問題なく、14.7倍ものコストパフォーマンスのあるベルカラー性互換インク。
ぜひ使ってみてはいかがでしょうか?
この品質であれば、ブラザーだけでなくキヤノンやエプソンのプリンターでも、ベルカラー製互換インクは問題なく使えると思います。
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