住宅の基礎については本当に難しいです。
もし基礎欠陥というものがあると気付いた方は「自分の家は大丈夫だろうか」と心配になるでしょう。そして考えれば考えるほど不安になってしまうものです。
完成した基礎を見て、「これは欠陥ではないだろうか」とか、「この施工で問題ないだろうか」など、真剣に確認したら心配は尽きません。
しかし私は我が家の基礎工事を見ていく過程で、よほどのことがない限り基礎については問題は起きないと感じました。
基礎工事についてですが、私の契約している一条工務店は、とてもしっかりやってくれているという感想を持っています。
コンクリートの施工不良を含めて不安に感じる主なもの4つの項目について、心配を払拭できる記事を書いてみました。
目次 (クリックで飛べます)
基礎工事で不安になること
基礎工事で不安を感じる以下の4つのことについて、これから説明していきます。
1)ジャンカ
2)コールドジョイント
3)コンクリート打設後の雨
4)配筋の錆
ジャンカ
コンクリートの密度が少なく空気が入ったままになった状態を言います。細かな気泡とは違い、大きな範囲に豆粒のような醜い状態が出てしまいます。原因ですが、いくつか考えられます。
- 狭いところにコンクリートを入れたため、奥まで入り込まなかった。
- 配筋が束になっていてコンクリートが入りにくかった。
- 強度を上げるために硬くなるコンクリートを使ったため、粘度が多すぎて奥まで入り込みにくかった。
- バイブレーターによる念入りな作業がなく、奥までコンクリートが入り込まなかった。
以上の問題があり、ジャンカは発生します。
ジャンカの可能性について
上記1~3の項目は避けられないことも多いです。
それを4の振動棒による締固めで問題が起きないようにするものです。
バイブレーター作業とは、振動する棒を打ち込んだコンクリート内に差し込み、コンクリートを振動させて余計な空気を抜いたり、途中で止まっているコンクリートを下まで落としたりするものです。締固めと呼ばれます。締固めがしっかりできていれば、ジャンカはかなりの割合で防げるはずです。
私の家の締固めについては、基礎担当の監督さんに、基礎工事業者がバイブレーターで作業している画像を見せてもらいました。しっかり作業はやってくれているようです。
一条工務店が提携している基礎工事業者はバイブレーターの作業は間違いなく行うはずです。致命的なジャンカが発生する可能性はかなり低いと思われます。
我が家でも致命的なジャンカは見られませんでした。
最も状態が悪く見える部分でもこの程度です。この程度ならまったく問題ありません。
ジャンカの発生
ジャンカは大なり小なり発生するものです。それが強度上問題になるかどうかは、素人にはわかりません。
インターネットでジャンカの画像を見て、自分の家の基礎にも同様の物が出ているとびっくりします。
しかし「問題だ!! 何とかしろ!!」とすぐに苦情を言うのは待ったほうがいいです。コンクリートの性質上、上から入れればどんな場所にでも入り込むものではありません。粘度がありますから入りにくい部分もあります。どれほどしっかり施工したとしても、小さなジャンカは発生してしまうものです。
どうしても気になるのなら基礎工事担当の監督さんに相談し、問題ないとの回答であれば納得しましょう。
基礎はとても重要なものです。上棟した後では基礎からやり直すのは大変なことですが、上棟前ならば致命的な不具合であれば補修や基礎のやり直しは行ってくれるはずです。
もちろん納得いく説明はしてもらうべきですが、最初から「何があっても絶対に基礎をやり直しさせる!!」という気持ちで話し合いをしないほうがいいです。
私たちは素人です。状況を見ても本来ならばどれほどの強度低下があるのかなど絶対にわかりません。プロを信じることも大切なことだと思います。
強度的に問題ないものに対して、無駄な時間と労力を使って抗議しても、はたまた裁判までしてしまっても、徒労に終わる可能性が高いのです。
コールドジョイント
コールドジョイントは、最初にコンクリートを打設した場所がすでに固まってしまってから、新たにその位置にコンクリートをかぶせた場合、最初に打設したコンクリートと後から打設したコンクリートが混ざり合わず、分離した状態になってしまうことを言います。
コールドジョイントの部分は亀裂が入りやすく、強度も落ちてしまいます。
コールドジョイントの可能性
監督さんに話を聞いたところ、普通の一戸建てであれば、普通にコンクリートを打設していれば致命的なコールドジョイントが起きる可能性はほぼないとのことです。
コールドジョイントの発生
素人が見ると金型の離型剤の模様をコールドジョイントと考えてしまうことが多いようです。
また最初に打設したコンクリートと後から打設したコンクリートが混ざり合っているのに、素人目には分離しているように見えてしまうこともあります。
一言でいうと、一般的な一戸建てを建てている限り、致命的なコールドジョイントが起こることはまずないと考えてもいいと思います。
コールドジョイントに見える状態も、ほとんどの場合がまったく問題ないものばかりです。
コールドジョイントの考察について記事を書きました。この記事を読めば、コールドジョイントについて納得できると思います。
内部リンク 住宅基礎の不具合である【 コールドジョイント 】は気にすることはない!?
基礎工事中の雨問題
コンクリート打設前後や打設中の雨について
コンクリート打設前やコンクリート打設中、コンクリート打設後にも雨が降ると心配ですよね。しかしほとんどの場合は問題ありません。打設前はわざわざ水を撒いてから作業を行うこともあるようです。
打設前に水たまりができているような場合を除き、問題はまったくないようです。打設後も数時間後に雨が降ったのであれば、まったく問題ありません。むしろ夏には好都合でもあるのです。
急速にコンクリート表面が乾くとクラックが発生することがあります。それを防止するためにも、打設後の雨は歓迎するべきであり、心配する必要はまったくありません。
問題は打設中の雨です。これだけは場合によっては問題があるようです。
コンクリートは水分率により強度が変わります。雨によって部分的にでも水分量が多いところができてしまうと、強度不足になります。
しかしよほどの大雨でない限り、強度に影響するほどのことはないようです。
コンクリート打設後の雨について記事を書いています。もしよろしければご覧ください。
>> 基礎コンクリート打設後に雨が降ってもまったく問題ありません!
雨の日に施工するのか
一条工務店では雨天にはコンクリート打設を基本は行いません。
我が家の基礎のコンクリート打設工事は、前日に雨が降り当日の朝には雨は止んでいたのですが、強風だったために延期されました。
強風だっただけで延期してくれるのですから、雨については間違いなく延期してくれます。雨で基礎の強度が落ちるような施工はしないと思われます。
この点でも任せておけば問題ないと思っています。
基礎配筋の錆
配筋の錆ですが、何も知識がないと錆びていることを心配してしまいますね。しかし表面に浮かぶ軽い錆ならば問題ありません。
内部に入り込むような、錆が配筋からはがれてくるような錆でない限り、気にしなくても大丈夫です。むしろ少々錆びているほうが好ましいとも言われます。
それは配筋に錆止めとして油が塗ってある場合があり、油があるとコンクリートとうまく密着しないのです。
錆が出るということは防錆油がないという証拠にもなりますから、少々の錆があった方がいいと言われるのです。
基礎工事まとめ
以上、基礎工事で気になる4つのことについて書いてみました。
こんな記事を書く気になったのは、基礎については私もとても心配だったからです。「一条工務店の基礎は任せておけば問題ない」と具体的な例を挙げて断言してくれる人が少なくて、なかなか安心できませんでした。そこで徹底的に基礎について調べたうえで、119項目もの質問を基礎工事監督さんにして、回答をいただきました。
さらにコンクリート関係の仕事をしている知り合いにも話を聞きました。それを元に今回の記事を書いています。
私は一条工務店と契約していますから、一条工務店の基礎工事について書いていますが、他のハウスメーカーで建てられている方にも当てはまることがほとんどだと思います。
自分も基礎工事について心配になり、何度か現場に足を運んで確認などを繰り返しました。しかし今では、基礎工事の様子や出来栄えは、配筋などのチェックはしたほうがいいとは思いますが、毎日通い詰めになるほど心配する必要はないと思っています。
この記事が基礎工事について心配されている方の役に立ったらうれしいです。