新築で家の間取りを考える時、廊下は不要な部分だと考える人も多いでしょう。できることなら廊下を減らしたり狭くしたりすることで、部屋を広くしたいと考えるのが普通のようですね。
私も家を建てようと考えたばかりの頃は、そのように考えていました。しかし間取り作成の途中で、二階の廊下を広くする間取りがとても魅力的に感じらるようになりました。
一般的には1マスの廊下が多いです。しかしわが家では、二階の廊下を1.5マスの広い廊下にしました。これが住んでみるととても快適なのです。
廊下が広くなる分、部屋が狭くなります。そのためなかなか廊下を広げるという選択をすることは難しいかもしれません。それでも廊下が広い快適性について、家づくりをするときに考えておくことも悪くないかもしれません。
私が感じた、広い廊下にするメリットとデメリットを紹介します。
目次 (クリックで飛べます)
廊下幅の実測値
廊下は間取り図面上で1マス(910mm)を確保しても、実際はその幅より狭くなります。
理由は、間取り図面は壁の中心から中心の寸法を示しており、1マスの幅を確保しても、壁の厚み分は幅が狭くなるからです。
我が家では一階に一帖のホール(廊下)を付けてありますが、1マスの幅は実測で853mmでした。
建ててもらうハウスメーカーによって壁の厚みが違うので、若干の違いはあるでしょうが、一般的にはわが家とあまり変わらない幅になると考えられます。
二階の廊下は1.5マスの幅ですが、実測で1,249mmになりました。図面上は約1.5倍の広さになりますが、これがかなり広くて快適に感じられるのです。
広い廊下にするメリット
廊下の幅が広いことは、多くのメリットがあります。
人とすれ違いやすい
1マスで853mmの幅の廊下は、人とすれ違うのはかなり面倒です。
当たり前のことですが、幅が1.5倍になれば、すれ違うのも楽になります。
人とすれ違いやすいことはもちろんですが、狭い廊下だと、ただの通路というイメージになります。
私の実家が1マスの廊下で狭いのですが、ただの通路であり、それ以外には機能はないと思っていました。
しかし1.5マスの廊下だと生活する空間というイメージになります。
例えば一時的に物を置いておく場所に使えます。大き目の段ボールを置いたままにしておいても、横を楽々通ることができます。
絵などの装飾品を飾れる
また、壁に装飾を施しても、それを見るだけの余裕があります。
狭い廊下では絵を飾ったとしても、それを見るだけ幅がありません。絵を飾ろうと考えることはまずないでしょう。
しかし1.5マスの幅があると、大きめの絵を飾っても、それを鑑賞できる広さがあるのです。
上の画像は1.5マスの廊下に人を立たせた3D画像です。広さの余裕をわかっていただけるでしょうか。絵を飾っても見られるだけの広さがあります。
わが家では廊下に絵を飾ることが前提でしたが、実際に1.5マスの廊下がある家を見たことがないので、本当に絵を見られる広さなのかわかりませんでした。
しかし実際に住んでみて言えることは、1.5マスの廊下にすれば、絵を飾っても立派に鑑賞できることがわかりました。1.5マスの廊下は、それだけの広さがあるのです。
廊下が広いと心にゆとりが持てる
二階に上がって廊下が広いことは、床が両側から迫ってくる圧迫感がなく、気持ち的に爽快です。
我が家では広めの階段を付けました。そこから二階に上がると広い廊下があります。この組み合わせは、圧迫感がないすばらしいものです。
間取り作成時点で、設計士さんや営業さんから、廊下の1.5マスの広さを止めて、0.5マス分の本棚を付けることを提案されました。私の所有している本は1,000冊以上あることを知った上での提案でした。
これはなかなか魅力的な提案でしたが、最終的には廊下を広くすることを選びました。
そして今では、やっぱり廊下を広くしたことは正解だったと思っています。二階の廊下がすべて広くて、ゆとりのある生活ができることは、とても気持ちのいいものだからです。
わが家では小さいながらも書斎が作ってありますから、そこに本を入れることもできますし。
屋根裏収納の階段の横を通ることができる
二階廊下の天井には、屋根裏収納の入り口があります。天井を開けて折り畳み階段を下ろして使います。
もし1マスの廊下であれば、階段を下ろしたら階段で廊下の幅をほとんど使い切ってしまい、人が通ることができません。
奥に部屋がある場合に、階段を使っていると、通るたびに階段を収納しなければならないのです。これはとても面倒なはずです。
しかし廊下が広いと、屋根裏収納への階段を下ろしっぱなしでも、楽々横を通ることができます。
大量に物を運び込むときにも、廊下に荷物を大量に仮置きして、一気に収納することができます。狭い廊下ではこれができません。
廊下天井に屋根裏収納の折り畳み階段がある場合は、廊下を広いととても便利なのです。
開き戸も付けられる
わが家の二階で廊下に面したトイレや書斎は、引き戸になっています。引き戸よりも開き戸(ドア)が好みの方は、廊下の幅を広くすることで開き戸にすることができます。
ただし廊下は人通りがあるものですから、開き戸にすると廊下を歩いているときに、中に入っていた人が出てくるためにドアを開けるとぶつけられてしまいます。
そのため廊下に面した戸は、開き戸にすることがほとんどなので、あまり関係ない話なのかもしれません。
廊下に椅子を置いてくつろげる
1.5マスの廊下にすると、椅子を置いてくつろげます。人が通る場合はちょっと邪魔になりますが、それでも椅子を置くことはできます。
海外の大きなホテルのように、二階の廊下に椅子を置けることは、私はちょっとリッチな気分になれてうれしいです。
広い廊下のデメリット
廊下を広くすると、他の部屋が狭くなります。これが唯一にして最大のデメリットです。メリットがあるとわかっていても、部屋の広さや収納の広さを優先される方が多いでしょう。
わが家でもその点はよく考えました。
そして結果的に、部屋を狭くして廊下を広くすることにしました。
部屋を狭くした理由は、家族は起きている間はほとんどリビングにいて、寝る時だけ部屋に行くという生活をしている人が、知り合いに多かったからです。
確かに、リビングが快適であれば、わざわざ自分の部屋に引き込む必要もありません。
我が家の間取りだと、廊下が広くなって変わるのは、主寝室とウォークインクローゼットです。子供部屋の広さは変わりません。
それであれば、主寝室を無駄に広くするよりも、廊下を広くした方が快適だと考えたのです。
このように考えると、我が家では廊下を広くするデメリットはなくなりました。
ただし、建坪面積が増えるとか、子供部屋まで極端に狭くなるなどのことがあれば、廊下を狭くしたかもしれません。あくまでわが家の間取り上では、廊下を広くする方がメリットを感じられたということです。
まとめ
廊下は絶対に広い方が快適です。しかし廊下を広くすると、大切な居住空間を狭くするか、建坪面積が増えてしまいます。
この記事を書いた理由は、1.5マスにした家に実際に住んで、どのようなメリットを伝えるかを目的としています。
廊下の広さを一度も検討しないのではなく、メリットもあると理解した上で、一度は広い廊下にすることを考えてみるのもいいかもしれません。