住宅基礎の不具合である【 コールドジョイント 】は気にすることはない!?

住宅の基礎工事では、施工不良を心配される方もいると思います。

施工不良を調べると「ジャンカ」と「コールドジョイント」が代表的なものだと紹介されることが多いですね。

しかしジャンカはともかくコールドジョイントは、それほど心配することはありません。

コールドジョイントを気にすることはないという理由について、基礎の作り方の説明を含めてまとめてみました。

コールドジョイントとは

コールドジョイントとは、コンクリート打設するとき、最初に打設したコンクリートの上に、もう一度コンクリートを打つ場合に発生します。

すでに一回目のコンクリートが乾ききっている場合、その上に新たにコンクリートを乗せても両者が混ざり合うことがありません。二回に分けて行ったコンクリートが分離している状態です。

この二つが分離しているため、その部分の強度はとても脆くなってしまいます。

コールドジョイント

このように説明すると、「やはりコールドジョイントは注意すべきだ」と考えてしまうかもしれません。

基礎工事についてなにを注意すべきか調べている方には、コールドジョイントは要注意だとインプットされてしまうかもしれませんね。

しかし心配はいりません。タイトルの通りコールドジョイントはあまり心配をする必要のないものなのです。それを説明していきますから、もう少しお付き合いください。

コールドジョイントは発生するのか

一般的な住宅では最初にコンクリートを打設してから、再度コンクリートを打設するまでにかかる時間は2時間程度です。この時間であれば、最初のコンクリートは乾いておらず、次のコンクリートを注ぎ足したら両者は問題ないレベルで混ざり合い、密着します。

一般的な住宅の基礎工事ではコールドジョイントを心配する必要はほとんどないのです。

基礎の表面に模様ができることがあります。それをコールドジョイントと心配される方がいますが、多くの場合は型枠の離型剤によりできた模様です。(※ 離型剤とは:型枠とコンクリートが張り付いてしまい型枠をばらすときに不具合が出るため、それを防止するために型枠に塗ってあるオイルなどのこと)

自分の家の基礎を見て、コンクリートが二層に別れているような模様があり、心配になる人もいるようです。そのような場合には上棟前に、基礎担当の監督さんに確認すれば、不安は払拭されると思います。

コールドジョイントの起こる場合

どのような時にコールドジョイントは起こるのでしょうか?

作業する人が少なくて何時間もかけてコンクリートを打設した場合はコールドジョイントが起こる可能性はあります。

またコンクリートを作ってから現場に到着するまでに、すでに決められた時間を経過していて、コンクリートの硬化が始まっている場合は、コンクリートの継ぎ足しをするとその部分がコールドジョイントになりやすいのです。

しかしほとんどの場合、コンクリートを作ってから到着までの時間は厳しく管理されています。

運転手の怠慢や交通事情により時間が守れなかった時には、そのコンクリートは使わずにもう一度コンクリートを作り直してもらうくらい厳しく管理されていることが多いようです。

特に大手ハウスメーカーはその管理が厳しく、大手ハウスメーカーで家を建てている場合、同日施工のコンクリート打刻作業で、コールドジョイントが発生する可能性はほとんどないと考えていいでしょう。

コールドジョイントは必ずある!!

ところが一般的な基礎工事では、コールドジョイントの部分が必ず存在します。

先ほどコールドジョイントは発生しないと書きましたが、今度はコールドジョイントの部分が必ず存在すると書いています。おかしいと考える方ばかりだと思いますが、間違っていることを書いているわけではありません。

先ほど書いた通り、同一の(同日の)コンクリート打設工程で、コールドジョイントが起こる可能性はまずないと思います。

しかし多くのベタ基礎工事では、二回に分けてコンクリートの打設が行われています。

住宅の基礎について詳しい方は知っていると思いますが、ベースコンクリートを打設してから数日経過後に、基礎立ち上がり部のコンクリート打設を行っているのです。

家の基礎部分
ベースコンクリート打設
基礎立ち上がり部コンクリート打設
基礎のコールドジョイント

ベースコンクリートと基礎立ち上がり部のコンクリートは、コンクリート同士が混ざり合うことなど絶対にないため、上の図の矢印部分は完全な「コールドジョイント」になっているのです。

現在ではほとんどの基礎工事ではこのような工程でコンクリートの施工がされています。正しく基準を守って作業されていれば問題にはなりませんので、心配することはありません。

コールドジョイントのある基礎で大丈夫なのか?

コンクリートが混ざり合っていない、コールドジョイントのある基礎で大丈夫なのか、心配になる方もいるでしょう。ベースコンクリートと基礎立ち上がり部のコンクリートがコールドジョイント状態であれば、強度が心配になると思います。基礎は家を支えるものです。その基礎のコンクリートが二つに分かれているとなると、分かれている部分の強度不足で、地震の時に壊れてしまいそうですね。

しかし強度は充分なのです。どうして強度が充分なのか、これから説明をしていきます。

基礎には配筋が入っている

基礎は家を支えています。基礎と家は何で繋ぎ止められているでしょうか?

アンカーボルトです。

基礎ボルト
基礎ボルト

基礎と家の土台はアンカーボルトで留められているだけなのです。つまりアンカーボルトだけでも家は問題なく繋ぎ止められるということです。

基礎の話に戻しますが、基礎のコンクリート内部には配筋という鉄骨が配置されています。

配筋がアンカーボルトと同じように、基礎のベースコンクリートと立ち上がり部のコンクリートを繋ぎ止めていると考えてみたらどうでしょうか?

基礎と家のつながり

もう少しわかりやすいように、正面からの図を書いてみました。↓

基礎立ち上がり部の説明

基礎と土台はアンカーボルトだけで繋ぎ留められています。アンカーボルトだけでも基礎と土台は地震にも耐えうるだけの強度で繋がれています。

そのアンカーボルトよりもはるかに多い本数の配筋が、ベースコンクリートと立ち上がり部のコンクリートを繋いでいます。基礎と土台を繋いでいる強度よりも、ベースコンクリートと立ち上がり部をつなぐ強度の方がはるかに強いと考えられます。

つまりベースコンクリートと基礎立ち上がり部のコンクリートの結合部はコンクリート同士が混ざり合っていなくても、配筋があるため強度は充分なのです。

ベースと立ち上がり部の状態

また私の家の基礎は、ベースコンクリートと基礎立ち上がり部の境面は、波を打っているようになっており一直線ではありません。

基礎接合部分

これはわざとベースコンクリートを平らに均さないようにしているからです。

基礎立ち上がり部の強度説明

上の図のように横方向にずれにくくなっているうえに、凹凸があるほうが密着面積が広がります。このことでも結合部の強度はさらに上がっているのです。

自分の家の基礎を見て、接合部が波を打っている状態になっていた場合、間違っても「継ぎ目が汚い」とクレームを付けないほうがいいです。

波を打っている継ぎ目の方が、品質的には高くなるのです。

配筋があればどんな施工でも問題ないのか?

ベースコンクリートにと基礎立ち上がり部のコンクリートの接合部は、配筋があればどんな施工になってもまったく問題ないのでしょうか?

もちろん配筋があっても問題のある状態はあります。

まず結合部にあまりにもジャンカ(空洞が多くてコンクリート密度が少ない施工状態)が多くて、荷重に耐えられない場合です。

これは一見してわかるので、ハウスメーカーに対応してもらうしかありません。しかし大手ハウスメーカーの施工では強度に影響するようなジャンカが発生することは稀のようです。

もう一つは、結合部に隙間ができる問題です。

隙間があれば配筋が空気に触れることになります。空気に触れれば配筋は錆びてしまいます。

完全に空洞が配筋に届いていなくても、配筋に対するかぶり厚さが少なくなると、耐年数が落ちてしまいます。

これは注意すべき問題ですが、少々のジャンカは気にすることはありません。

基礎ジャンカ

上の画像は我が家の継ぎ目の状態です。

この程度のジャンカなら、強度も問題ないし配筋のかぶり厚さ(配筋から外側までのコンクリートの厚さ)にもまったく問題なく、補修も必要ありません。

ただしあまりひどいジャンカを発見した場合は、補修を要求することも必要になるでしょう。

コールドジョイントまとめ

以上、コールドジョイントと基礎の作り方についての考察を記事にしてみました。

なお、基礎工事ではベースコンクリートと基礎立ち上がりコンクリートの打設を同時にするところもあるようです。

一回のコンクリート打設であれば、基礎すべてが一体化して強度もより良いものになりそうです。

しかし正しく施工されれば、二回に分けてコンクリートを打設する工法でもまったく問題ありません。

私も最初は一回のコンクリート打設の基礎の方が、二回に分けて行う基礎よりも大きく高い強度があると思っていました。しかし基礎について調べてみると、正しく工事をしてもらえれば二回に分けて行う工法でもまったく問題がないことがわかりました。それを皆さんに知っていただきたいと考えたことが、この記事を書いた理由です。