基礎工事をチェックしよう 配筋を確認する7つのポイント

新築する場合、最初に行うのが基礎工事ですが、ハウスメーカー任せで確認していない方もいるのではないでしょうか。

しかし基礎工事は絶対に確認すべきです。特に配筋という鉄骨の設置は、しっかり見ておく必要があります。配置が悪くてもコンクリートで固められてしまうと、後で確認が絶対にできないからです。

基礎工事を確認すべき理由

契約しているハウスメーカーに基礎工事全般はすべて任せて、施主側は確認する必要はないのでしょうか。

担当する営業さんや設計士さんがとても信用できる人たちで、この人たちの会社ならば問題ない工事を行ってもらえると考える人もいるでしょう。

しかしそれは間違いです。基礎工事を行うのは営業さんや設計士さんではなく、まったく別の人なのです。大きな規模のハウスメーカーでも、作業するのは小さな下請けの業者であることが多いのです。ハウスメーカーがその業者を完全にコントロールするのは不可能です。ずっと作業をつきっきりで監視することはできないでしょうから、見ていないところで手抜き工事をすることだってあるかもしれません。

上棟前に工事を止めて基礎の問題を解決するのならば、メーカーも対応はしてくれるようです。しかし上棟後、特に入居後に基礎に対してクレームを付けても、なかなか対応してくれる例は少ないのです。つまり基礎の問題は、上棟前に発見して対策してもらわないといけないのです。

配筋のチェックをしよう

毎日頻繁に見いくことはできない人も多いでしょう。その場合、見るべき工程を絞る必要があります。最初に確認しておきたいのは、配筋の施工状態です。

配筋とは?

配筋とは、基礎のコンクリート内に埋め込んである鉄の棒のことです。コンクリートは押しつぶす力には強い耐性がありますが、引っ張る力には弱いのです。引っ張る力に対する耐力を出すために、中に鉄骨を埋め込むのです。

配筋があることによって、引っ張りに弱いコンクリートの弱点を補えます。住宅の基礎には配筋はなくてはならないものなのです。

基礎が劣化する理由

基本的にコンクリート自体の耐久性はかなり高いです。

日本の家の耐年数は30年とも言われていますが、30年で基礎コンクリートの耐年数を迎えることはまずありません。コンクリートの材質自体は30年程度でダメになるものではないのです。

それでは基礎がダメになるのは何が原因なのでしょうか。それはコンクリートの中に入っている配筋がさびて劣化し、強度がなくなることです。配筋の配置によって配筋が錆びやすくなります。

配筋が錆びて劣化すると、引っ張る力に対して耐えることができなくなります。配筋が劣化した時点で基礎の寿命が来たと考えられるのです。

ずさんな配筋の施工をしていると、起訴自体の寿命が短くなります。そのため配筋の配置のチェックは大切なのです。

コンクリートには耐水性がないと言われています。コンクリート内部の配筋は、染み込んできた水と空気により酸化します。配筋がしっかりコンクリートに覆われていれば錆びるまでの期間を延ばすことができるのです。

そのため配筋は40mm以上コンクリートに覆われていることが【 築基準法施行令 第79条 鉄筋のかぶり厚さ 】で決められています。それが守られていない場合は即建築法違反になるのです。

ところがコンクリートを施工されてからでは、確認ができません。そのために配筋の状態をコンクリート施工前に確認する必要があるのです。

この確認は、工事業者の気が緩んでしまうことに対する対策でもあります。施主がいろいろ調べていることは、間違いなくハウスメーカー(私の場合は一条工務店)基礎担当の監督さんからそのことを工事業者に伝えるでしょう。その結果手抜きのないいい工事ができる可能性は間違いなく高まります。

すべてを任せて放置していると工事業者も気楽に作業するでしょうが、施主が真剣にチェックまでしていることを伝えられたら、気合も入るでしょう。

配筋の確認項目

1)配筋のかぶり厚さ

法律では40mm以上が求められていますが、一条工務店ではそれ以上の基準でやられているようです。一般的な基準の40mm以上あるかどうかの確認をしましょう。

スペーサーが付けられていて、型に規定以上近づかないようになっているはずです。

2)配筋の束になる本数

配筋は組み合わせますから束になる部分が多数でできます。

あまり何本も重なるとコンクリートを流し込んだ時にコンクリートに覆われにくくなり、内部に空洞ができやすいので注意が必要です。

各ハウスメーカーで基準があると思いますから、最大の束の部分の写真を撮って、それで大丈夫か監督さんに確認すればいいでしょう。

3)配筋の幅

大抵が200mmの感覚で配置されているはずです。一条工務店では配筋はあらかじめユニットになっていて、溶接されて運ばれてきます。

そのため配筋同士の幅に問題があることはまずありえないでしょう。

4)防湿シートの破れ

防湿シートに破れがないことを確認します。

しかしこれもなかなか難しいのです。

砂利を敷いた上に防湿シートを敷きますが、配筋を配置するときには作業者は防湿シートの上を歩きます。

砂利の上にポリエチレンのシートが置いてあり、それを踏むのですから絶対に小さな穴が開いてしまうことはあります。

1mm2mm程度の穴を気にしていたら、きりがありません。大きな穴を見つけたら修正するように依頼するといいでしょう。

この防湿シートですが、ベタ基礎の場合はあまり意味がないものでもあるそうです。コンクリートは湿気を通さないですから、当然のことですね。

布基礎で前面にコンクリートを張らないころの習慣がそのまま残っていて、今後はなくなっていくものかもしれないと監督さんはおっしゃっていましたので、あまり防湿シートの破れは気にしなくてもよさそうです。

5)結んだ針金も飛び出していないこと

配筋を結ぶ針金も配筋のかぶり厚さと同じで、内側に40mm以上入っていなければなりません。

とても細い針金ですが、甘く見ないほうがいいでしょう。

6)配筋には油が付いていないこと

配筋に防錆油が塗布されていないことを確認してください。コンクリートとの密着が悪くなってしまいます。

錆があると防錆油がないことを証明していることになります。少々の錆はあった方が安心できます。

7)砕石から60mm以上の距離があること

砕石とは、配筋の下に敷かれている普通の砂利のことです。

砕石からの配筋の寸法は【 築基準法施行令 第79条 鉄筋のかぶり厚さ 】で決められており、60mm以上がなければいけません。

スペーサーで配筋が持ち上げられているはずです。しっかり寸法が保たれていることを確認しましょう。

ここで注意したいのは、スペーサーが沈み込んでいたら、配筋の下がしっかり踏み固められていないのです。しっかり踏み固められていないと、基礎工事の後で基礎全体が沈み込んでしまうかもしれません。

スペーサーの沈み込みを見つけたら、すぐに監督さんに連絡しましょう。

その他に気になったこと

配筋が設置されたため、状況を確認しました。上に挙げたチェックポイント以外で、気になったことを挙げてみます。

型枠にオイルが塗布されているが、コンクリートに影響は出ないか

確認しに行くと型枠にオイルが塗布されていました。

コンクリートを流し込むと、このオイルと混ざり合って強度に影響が出ないか心配なので、監督さんに確認しました。

【監督さんの回答】

オイルはコンクリートが型枠に張り付かないように塗布しているものです。離型剤と呼んでいるもので、これがないと型枠を外すときに表面が荒れてしまいます。

一条工務店としてオイルの塗布量に基準はありませんが、塗り過ぎや塗り忘れがないように管理しています。オイル塗布でコンクリートの強度に影響が出ることはありません。

配筋が届いていないところがある

配筋他の配筋に届いていないところがたくさんありました。

問題ないか確認しました。

【監督さんの回答】

配筋はすべて曲げて組み合わせてユニットにして持ってきます。そのユニットを組み立てるだけなので、配筋の届いていない部分があってもそれはそのように設計されたものなのです。

以上の回答をいただき、基礎の配筋については問題ない状態でコンクリートの打設作業に入ることになりました。

基礎工事の配筋をチェックしたことの効果

一条工務店の監督さんは、私が気になった場所の写真を撮ってデータを作って送ったものを、現場作業者に見せたそうです。

基礎工事業者の方ただって、自分たちの仕事に文句を言われたくはないでしょう。指摘事項は決して言いがかりのような理不尽なものではなく、正しい判断に基づいています。基礎工事業者の方たちも、指摘事項に文句はなかったはずです。

工事内容を細かくチェックしたことで、施主がいい家を建てようと一生懸命になっているとわかっていただいたと思います。その結果、いっそう気合が入って丁寧にコンクリートの打設作業をしてくれたと信じています。

チェックすることでミスがあったら是正してもらうことは大切ですが、私のような素人がチェックするまでもなく、ベテランの監督さんがすべて確認して是正処置を促してくれたでしょう。

監督さんは私よりももっと厳しい目で見て、もっとたくさんの指摘をしているのではないでしょうか。

しかしどんな施工業者でも客のクレームは怖いものです。とても細かなことまで気にする客が騒ぎ出すと、最悪の場合はもう一度基礎をやり直さなければならないことだってあります。

基礎は疑ってかかるといくらでも欠陥があるように見えてしまうものなのです。もっとはっきり言うと、どんな基礎でも欠陥と言われればそうであるとしか言えない部分は必ずあるのです。

細かな客だと普通の人では気付かない(致命的な)欠陥も気づかれてしまうかもしれません。

「この仕事は細心の注意を払わなければいけない」・・・そんな意識を持ってもらうことで、いつもよりも少しだけでも一生懸命に作業をしてもらえたらありがたいのです。

基礎工事配筋チェックの注意点

配筋チェックについて注意点があります。

それは配筋作業が完了した状態でチェックした場合、問題を見つけても「修正する時間がない」ということです。配筋が完成した翌日には朝からコンクリートの打設作業が入る場合があります。生コンを運んで来たら、固まる前に速やかにコンクリート打設をしなければなりません。コンクリート打設の日には、修正などできないのです。

そのため私は、まだ完成していない途中の状態で配筋チェックに行きました。「客が細かいところまで見ている」というのをアピールする目的もありましたから、完成していなくてもよかったのです。

チェックのタイミングは、人それぞれいろいろ考えがあると思いますので、作業現場に通える頻度などを考えながら、ベストなタイミングで確認されるようにされるといいでしょう。