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i-smart検討ポイント

オイルガードを自作して調理中の煙を完全排除!

一条工務店i-smartのキッチンオイルガードを自作しました。

この自作の特筆すべて起点は、調理中の煙をすべてレンジフードに吸い込ませることに成功したことです。魚を焼いたときに臭いが家中に充満することは、普通は避けられません。しかし自作オイルガードを作成後は、調理中の臭いが家の中に漂ったことがありません。

この記事は間取り打ち合わせ時から、オイルガード自作を計画して検討したものです。少々難易度が高いですが、効果も抜群ですから、ぜひお読みください。


キッチンにはレンジ部に、オイルガードが付けられています。

レンジで料理した時の油が、カウンター側に飛ばないようにするのがオイルガードの役目です。とても小さくてしっかり飛散するオイルをガードしてくれるのか疑問です。

このオイルガードを取り外して、新たなものを自作しました。

自作オイルガード

これがキッチンのレンジ部に自作したオイルガードを付けた様子です。

アクリル板なので透明度が高くて写真では見にくいかもしれませんが、もともとついていたオイルガードの位置に取り付けてあります。

壁にぴったりくっついていて、隙間はありません。

調理器の前に立つと、正面からの空気の流れをシャットアウトできています。

透明5mm厚のアクリル板を使いました。アクリル板の透明度はガラス以上です。とても高級感があります。

5mmの厚さであれば、薄っぺらくて安っぽく感じることはありません。

上部はマジックテープで止めてあります。

この自作オイルガードは簡単に取り外すことができます。

レンジフードにはマジックテープで止めてあるので、ここを剥がします。

カウンタートップに差し込まれた部分を上に持ち上げると、オイルガードが外れます。

外すのには10秒もかかりません。あっという間です。

自作オイルガードの利点

このオイルガードはとてもたくさんの利点があります。

  1. 排煙効率が上がります。壁にぴったり付いていますし、前面すべてを覆っているので、レンジフードまわりは4面中2面が完全にふさがれた状態になります。調理中の煙をしっかりとレンジフードが吸い出してくれます。
  2. オイルの飛び散りが抑えられます。ガードが正面全体を覆っているため、カウンター側にオイルの飛び散りはゼロになります。このためカウンター側の壁に、子供の時間割を貼り付けるなどをしても問題なくなります。
  3. 透明度の高いアクリルなので、料理をしながら子供の様子を監視できます。我が家ではキッチンからダイニングとリビングの様子がすべて見える間取りになっています。オイルガードが透明になったことで、子供を更にしっかり監視できるようになります。
  4. 取り外しが簡単で、掃除も楽です。油が飛んでも取り外して洗うことができます。アクリルなのでガラスよりも軽く、落としても割れる心配があまりありません。

以上のような利点がありますし、とてもスマートです。大満足の自作オイルガードなのです。

なぜオイルガードの自作を考えたのか

賃貸住宅に住んでいた時、魚を焼くと家中ににおいが充満していました。レンジフードの排気効率が良くなかったためです。レンジフードは場合によっては、付いているだけでほとんど効果のない場合もあります。

特に気密性の悪い住宅では、どれほど強力な吸引力のあるレンジフードであっても、室内に空気の流れができてしまいます。空気の流れにより煙がレンジフードに入ることなく流れてしまい、調理中の煙を吸い込んでくれないのです。

しかし一条工務店のi-smartは気密性が高いので、外部からの空気の流れて煙がレンジフード外に流れてしまうことはなさそうです。オイルガードでレンジの前面を覆えば、調理中の煙を効率的に吸い込んでくれるのではないかと考えました。

オイルガードを自作する前に考えること

自作する前には、いくつか考えなければならないことがあります。

取り外しができるオイルガードを採用する

取り外しができるオイルガードでないと、自作するのも大変です。抜くだけで取り外しができるオイルガードを採用し、抜いた穴に自作のオイルガードを差し込む方法が簡単です。一条工務店オプションのハイタイプを選ばず、標準品にしておけばいいことになります。

レンジフードとオイルガードの取り付け位置を一直線にする

自作のオイルガードを作ったとしても、オイルガードとレンジフードの前後方向の位置がずれていると、取り付けられません。レンジフードとオイルガードの前後方向は、ぴったり同じであることが前提です。

差圧感応給気口の位置を考える

レンジフードを作動させると室内の空気が吸い出されます。高気密の住宅ではレンジフードの排気量の方が、隙間から入ってくる空気よりも多くなって気圧が上がります。流入空気が足りないと、レンジフードの排気効率が下がるので、室内の気圧が下がるとダンパーが開いて外から空気を取り込む給気口が、高気密住宅には取り付けられています。これを差圧感応式給気口と言います。

レンジフードに料理の煙を効率的に吸わせるには、差圧感応式給気口の位置が重要になります。給気口の位置が高くて近いと、入った空気がそのままレンジフードに吸われてしまいます。

そこで我が家では、レンジから離れたところに給気口を付けています。

離れた場所から外気が入ることで、効率的にレンジで発生する煙をレンジフードで吸い込んでくれるようになっています。

オイルガード自作までのとても長い道のり

考えることは簡単でしたが、実現させるのにはとても苦労しました。

レンジフードとオイルガードが一直線にならない

最初はレンジフードはアイランドタイプではありませんでした。しかし一条工務店i-smartの強度基準が変わったことで、間取りも変わり、レンジフードの排気口がレンジフード横に付けられなくなってしまいました。そのためレンジフードはダクトを延ばして北側の壁に付けることになりました。レンジフードは壁に密接しているのに、アイランドタイプになったということです。

アイランドタイプになるとレンジフードの高さは1700mm固定になり、高さが選べなくなります。背の高い人が料理する場合、1700mmだとレンジフードに頭をぶつける可能性が出てきます。このため、アイランドタイプのレンジフードは、70mmキッチンの奥側に移動することになります。

アイランドタイプでなければ、レンジフードの端とオイルガードは前後方向がぴったり一致しています。

しかし70mmレンジフードが移動することで、レンジフードの端とオイルガードとは、70mmずれが出てしまうのです。

左がアイランドタイプで、右がアイランドタイプではない場合です。

レンジフードの位置を変える

設計時点で、位置を変えてもらうことは不可能だとされました。諦めていたのですが、建築中に監督さんに話をすると、位置を変えることは可能だということです!! そこで最初は70mm位置を移動してもらうように考えたのですが、実はこの位置の変更の寸法は、いくつがいいのかとても難しいのです。

70mm移動させるように話をしても、実際は80mmになってしまうなどのこともあるそうです。一条工務店の監督さんの今までの経験から、レンジフード端とオイルガードの位置を合わせるには、60mmくらいで依頼すればいいのではないかとアドバイスされました。それを信じて60mmの移動をお願いすることにしました。

自作オイルガード設置方法

レンジフードに自作オイルガードを付けるには、マジックテープを使うことは最初から決めていました。問題はキッチントップにどうやって自作オイルガードを付けるかです。

取り外しのできるオイルガードは、キッチントップに付けられた穴にはめ込んであるだけです。はめ込みの金具と同じものを自作する必要があります。

しかし金具はテーパーになっており、ただの筒状ではありません。寸法が奥側で25mmなのですが、25mmの丸棒を入れてもガタツキが出ますので、テーパーの金具を探すか、自作する必要がありました。

ステンレスは固すぎて家での加工は不可能、アルミのちょうどいい丸棒も見つかりません。ホームセンターで考えていると、ゴムクッションが目に止まりました。

テーパーの角度などもちょうど良さそうです。

これにネジ経の変換ジョイントをねじ込んで、キッチントップの取付け穴に差し込めば、うまくいくかもしれません。

ダメもとでゴムクッションと変換ジョイントを購入してみました。

ゴムクッションにもともと開けられている穴をハサミの先で少しだけ広げます。

そして変換ジョイントをねじ込みます。

画像はねじ込み途中のものです。ネジ部分が見えなくなるまで、しっかりねじ込んでしまいます。

そして差し込み部だけ作ってみると、うまく穴にはまりこみます。ガタもほとんどありません。

これではめ込み部分は完成です。

紹介すると簡単に購入物を決めたように感じるかもしれませんが、このやり方を考えて物を選ぶまでには、大変な時間がかかっています。

アクリル板の購入

強度や安全性、視界性などを考えると、アクリル板以外は考えられません。寸法は900mm×900mmです。しかしこれほど大きなアクリル板は、ホームセンターを回りましたがどこにも置いていませんでしたので、インターネットで注文しました。

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3mm厚のものならかなり安いのですが、薄くて安っぽく見えそうです。5mmのものならたわむたわむこともなく強度も充分です。

送料も含めて8,000円以上のちょっと高い買い物になりました。本当に問題なく取り付けられるのかちょっと不安で、もしうまくいかない場合はそのお金が無駄になってしまいます。注文するのは少しだけ覚悟が必要でした。

取り付け

注文したアクリル板が届いたので、取付けを行いました。

アクリル板の取り付け金具のボルト位置を決め、キリで跡を付けておきます。

そのまま切りで穴を開けてしまおうと思ったのですが、アクリルは固くてきりで穴を開けるのは至難の業です。

そこで電動ドリルで穴を開けることにしました。

どうせドリルで穴を開けるならば小さめの穴を開け、アクリル板にネジを切ってボルトが付けられるようにしてみました。3.3mmの下穴を開けました。

 

4mmネジを締めるので、4mmタップをかけてアクリル板の穴にネジを作ります。

変換ジョイントを購入しておいた金具で挟み込み、アクリル板に取り付けました。

それほど違和感なく収まっています。ガタつきもまったくありません。

オイルガードの見栄えを良くするための改良

アクリル板の突出し部をカット

購入したアクリル板は、そのままだとレンジフードの上に突き抜けていました。

突き出た部分を切り取らないとスマートに見えません。

アクリルは固いです。キリで穴を開けようとしましたが、途中で諦めてドリルを持ち出したくらいです。このアクリル板を、カッターなどで切るのは大変です。

そこでアクリルカッターを購入しました。

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アクリルカッターとは、アクリルの切断専用の工具です。何度も何度もアクリルのカットしたい面をなぞって切り込みをつけます。5mmの板だと半分くらいの深さまで切り込みを入れると、手で簡単に折れるようになります。

30分近くかけて、アクリル板のいらない部分を切断しました。

オイルガードにテープで装飾

ホームセンターで黒のテープを購入しアクリル板の上部に貼りました。アクセントにもなりますし、取り付けのための両面テープが見えなくなりました。安い梱包用の黒テープですが、綺麗に貼れば見栄えはとてもよくなります。

 

側面の面取りをする

アクリル板の側面に面取りをしました。これをするだけで、近くで見た時に高級感が出ます。C1くらいの面取りをしました。カッターで角を削るだけなので簡単です。

下部にもテープを貼る

キッチンに取り付けるためのユニットを金具で止めていますが、これが見るとスマートではありません。上部と同じようにテープを貼りました。上下に黒のアクセントが入り、さらに取り付け金具が見えなくなったので、かなり見栄えは良くなりました。

オイルガードの取付けを終えて

作業自体の難易度は高くありません。大変なのはは企画、設計時ですね。何を使ってどのように取り付けるか、また取り付けるための位置関係を考えるのは、本当に大変でした。

しかし出来上がりの状態には満足していますし、機能も申し分ありません。魚を焼いたときのにおいは、自作オイルガード取り付け前はかなりLDKに充満していました。今ではそれがかなり少なくなりました。妻も母も絶賛しています。

また子供が学校に行くようになったら、壁に時間割を貼り付けたかったのです。しかし自作オイルガードがない時は、料理の油が飛び散るため紙を壁に貼ることができませんでした。

今ではオイルガードが完璧にオイルの飛び散りを防いでくれるので、下図の位置に時間割を貼ることが可能です。

自作オイルガードの垂直度

レンジフードの位置を、建築中に一条工務店の監督さんに60mm調理側に移動させてもらいましたが、これがばっちりです。

レンジフードとのズレを建築中に補正してもらいましたが、なんとオイルガードは寸分の狂いもなく垂直に取り付けられることになりました。

これはまだ仮組状態の画像ですが、垂直度は奇跡的にばっちりでした。

オイルガードを自作するには

やり方がわかれば、それほど難しいものではありません。私の購入したパーツを上げておきますので、興味のある方はチャレンジしてみてください。

① アクリル板

900mm×900mmの物が必要です。

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② ゴムクッション 光 バラ ゴムクッション戸当り 白 20×23 GD-20-2

ホームセンターで現物を見て、使えると判断して購入しました。同様のものがネットでも売られているのでリンク先を紹介しておきます。

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③ 変換ジョイント 

八幡ねじ 変換ジョイント M8-M6   これもホームセンターで購入しました。インターネットで購入できるので、リンク先を紹介しておきます。

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④ 金属製ブラケット

自作取り付け部とアクリル板を繋ぐために必要です。品番がわからないので、ホームセンターで使える物を探してください。

 

⑤ アクリルカッター

アクリルは固いです。アクリルカッターがないと、切断作業が進みませんので、購入してください。

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アクリルカッターとは、アクリルの切断専用の工具です。何度も何度もアクリルのカットしたい面をなぞって切り込みをつけます。5mmの板だと半分くらいの深さまで切り込みを入れると、手で簡単に折れるようになります。

オイルガードを改良し、レンジフードの排煙効率を上げよう

一条工務店i-smartのキッチンレンジフードにこのオイルガードを付けたところ、排気効率がものすごく上がりました。魚を焼くと家中に臭いが充満していたのですが、ほとんど臭いを感じることがなくなりました。

しかしまだ、わずかに臭いが漏れていました。

そこでレンジフードのサイドに、薄いプラスチック板を取り付けてみました。600mm×450mmで厚みが1.2mmの透明プラスチックの板です。

これをはさみで下画像のようにカットしました。

レンジフードの側面に取り付けてあるのがわかるでしょうか。このプラスチック板は、磁石で仮取り付けしてあります。

取り付けが磁石なので簡単に取り外せます。この大きさだと調理の邪魔になりません。

排気効率大幅アップ!!

調理器を大きく覆う方が排煙効率が上がるのは間違いないですが、あまり大きくすると見栄えも悪いし料理中に邪魔になります。いろいろテストした結果、現在の形にすることを決めたのですが、効果は絶大です。我が家ではキッチンのレンジフードの作動力が「中」の状態でも、煙をすべて吸い込んでくれるようになりました。魚を焼いても部屋には一切臭いが洩れません。

おそらく一般的なオイルガードだけでは、調理中にミスト状になった細かいオイルがそこら中に四散しているのではないでしょうか。それもほとんどレンジフードに吸い込まれていると考えています。

調理中のオイルの飛び散りについて

オイルガードの改良時に掃除しました。その後3日間経ったオイルガードを観察してみました。

わずか3日間ですが、飛び散ったオイルが付着しています。

オイルガードがないと、これらのオイルはカウンター側に飛び散っていることになります。このオイルガードにより、完全にオイルの飛び散りをシャットアウトできるのはありがたいです。

自作オイルガードについて

ビジュアル的にも機能的にも、大満足のになりました。キッチンに高級感も加わりました。2ヶ月点検で来られた一条工務店の営業さんと設計士さんも、(まだ改良前の)自作オイルガードを見てびっくりされていました。

構想と設計に多大な時間を掛けたものですが、その時間分の価値以上の素晴らしいものになりました。

魚を焼いた臭いが家中にあふれることを諦めないでください。頑張って考えれば排煙効率を上げて、臭いをシャットアウトすることもできるのです。妻も母も絶賛してくれています。快適な生活を送るためにも、ぜひ皆さんもオイルガードの自作にトライしてはいかがでしょうか?

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