イヤイヤ期をなくすことができます。
わが子にはイヤイヤ期がありませんでした。
これは1歳のころから、予想していたことです。わが子が親を「イヤイヤ」と言い続けて困らせることはないと、私たち夫婦は確信していました。
イヤイヤ期のメカニズムはおそらく誰も理解していないのではないでしょうか? でも私はわが子が3歳半になって、イヤイヤ期とは何なのかを私なりに理解できるようになりました。
イヤイヤ期は「子供が親に相手にしてもらうための精一杯の表現」ではないかと思うのです。
イヤイヤ期のメカニズムを考える
すべての子供に当てはまることではないのかもしれませんが、わが子は親に相手にしてもらうための精一杯の表現だとしか思えませんでした。もしそうであれば、親がしっかり相手をすることによって、イヤイヤ期はなくすことができるのです。
これに気付いた理由は、わが子があるタイミングで、イヤイヤ期としか思えない態度を取ることが見られたからです。
このタイミングとは、幼稚園に通うようになってからしばらくの間でした。
幼稚園に通うようになってから、わが子は性格が変わりました。物わかりのいい子供だったのですが、店で欲しいと思ったものを見つけると、ひどくねだるようになりました。それだけならあまり気にならなかったのかもしれませんが、明らかにおかしいのは、本気でその物が欲しいと思えなかったからです。
ホームセンターに行って売っている金魚や熱帯魚などを見せました。その横にあった犬に持たせるクッションを、突然欲しいと言い出しました。
「これは犬が使う物だから買わないよ」と言うと、激しく抵抗して泣き出したのです。
欲しい物を買ってもらえないので泣くという行為は、今まで一度もありませんでした。しかもそのクッションは、じっくり見て選んで欲しいと思ったのではなく、たまたま歩いている横にあった物を手に取って、持っている物が何なのか理解しないまま「欲しい」と言っているだけのように見えました。
そのあとでその近くの公園に行きました。ホームセンターに行く前にいちご狩りに行っていて、わが子も腹いっぱいイチゴを食べました。それから1時間も経っていないので、まだわが子はお腹がいっぱいのはずです。
それでも公園の自動販売機を見て、イチゴのジュースを欲しがりました。「さっきイチゴを食べたばかりでまだお腹がいっぱいで飲めないでしょ。だからまた今度ね」と言うと、またもや激しく泣き出しました。本当は飲みたくないのに、買って欲しいと要求しているだけのようです。
わが子は思いついたことを次々と親に要求し、親が自分の気持ちを受け止めてくれる(欲しいと言った物を買ってくれる)かどうかを確かめているのではないかと私は感じました。
この時にどうしてわが子がこのようなことをするのか、私は考えました。そして幼稚園に行っている時は親に甘えられないから、幼稚園に行っていない時に親に甘えようとしていることはあるのだろうと感じました。
しかしそれ以上に強い気持ちがあると気付きました。
自分を幼稚園に送り出している親が、自分と離れたくない気持ちを持っているかどうかを確かめようとしているのです。
2歳から3歳までの間にイヤイヤ期がなかったわが子ですが、その期間はわが子にとっては、親にしっかり愛されていると実感できていたのではないでしょうか?
小さな子供の感覚では、好きな人と別れたいとは思わないでしょう。わが子も幼稚園に行くときには、親と離れるのがとてもつらいのです。
しかし今は親が自分を幼稚園に行かせようとしています。
親が自分と離れても平気なのではないかと疑う気持ちから、親が自分を愛していないかもしれないと不安になったのだと思います。それを試すために様々な要求を繰り返し行い、親がそれに応えて欲しいと思って確かめているのでしょう。
イヤイヤ期とは、「親に愛されているかどうかを確かめる子供の要求」ではないかと私は考えました。
イヤイヤ期をなくすには
もし私の考えが正しいとすれば、イヤイヤ期をなくすには、子供に「私たち両親は、あなたのことが大好きだよ」と思っていることを理解してもらえばいいのです。
わが子が幼稚園に行くようになって、イヤイヤ期のような行為が時々見られるようになりました。その対策として、できる限りわが子の要求に応えるようにしてみました。
朝早く起きて「お母さん、早く起きたい」と行ったときは、朝の5時でも起きて遊びの相手をしました。父親である私も、朝5時前から自宅の庭で砂遊びに付き合ったこともあります。
そして1ヶ月ほどで幼稚園にも慣れたこともあってか、わが子のひどいわがままは嘘のように消えてしまいました。
もしイヤイヤ期が親の愛情を確かめる行為だとすれば、いつも愛情を持って接していれば起きないことになります。私たち夫婦は、わが子にイヤイヤ期が来ないと思っていました。その理由は親子の結びつきがとても強いので、わが子が私たち両親を困らせるとは思えなかったからです。つまりほんの少しも子供の気持ちを無視した冷たい態度を取ったり、理不尽に怒ったり暴力をふるったりしたことがなかったから、わが子はいつも私たち両親に心から愛されていると信じてくれていたのでしょう。だからイヤイヤ期は起きなかったと私は確信しています。
イヤイヤ期は私は、起きないようにすることができると考えています。少なくともわが子には、イヤイヤ期がないようにすることができました。
イヤイヤ期をなくす方法は、中途半端ではなく徹底的に自分の子供のことを真剣に考え、愛情をもって接することです。
子供は2歳にもなれば賢くなっています。親がイライラして子供を強い口調で怒ったり、たたいたりすることがあれば、親の愛情を疑う気持ちが出てきます。イヤイヤ期が始まる時期は子供によって違うようですが、早く人の気持ちを感じられるようになった子供はイヤイヤ期が起きるのが早く、なかなか人の気持ちを考えられない子供はイヤイヤ期が遅くなるのかもしれません。
親を疑う気持ちを微塵も持たないように子供にやさしく接することで、イヤイヤ期が来ないようにできるのではないでしょうか?
すべてのご家族に当てはまるわけではないのかもしれませんが、私が子育てで経験したことから考えると、多くの子供のイヤイヤ期は、親の行動によって防ぐことができるのではないかと思います。